
この図の解説
この図は大脳半球を左外側から見て、中心溝を境に前方を運動性皮質(暖色)、後方を感覚性皮質(寒色)に塗り分けている。まず中心溝の前後に注目したい。中心溝の直前が一次運動野(中心前回・赤)、直後が一次体性感覚野(中心後回・青)で、この一本の溝を挟んで「出力」と「入力」の中枢が向かい合う位置関係が最重要である。一次運動野の前方には高次運動野(運動前野+補足運動野)が広がり、運動のプランニングを担う。感覚性皮質では、体性感覚野の下端に一次味覚野、側頭葉上面に一次聴覚野(緑)、後頭葉の鳥距溝周囲に一次視覚野(黄)が置かれる。さらに図は、これら一次野以外の広大な領域を前頭・頭頂・側頭連合野として示し、運動性言語中枢(ブローカ中枢)が前頭葉外側下部に、感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)が聴覚野の後方にあることを図示している。一次野の位置を溝との関係でおさえ、その周囲を連合野が埋めるという入れ子構造を読み取ることがねらいである。
学習の要点
- 一次運動野は中心前回、一次体性感覚野は中心後回。中心溝を挟んで前が運動・後が感覚と対をなし、どちらも支配身体部位が上内側から下外側へ「下肢・体幹・上肢・顔・舌」と並ぶ体部位局在性をもつ。
- 覚え方のコツ:一次野の場所は「溝」で覚える。運動=中心溝の前、感覚=中心溝の後、視覚=鳥距溝の周囲、聴覚=上側頭回(外側溝の奥の上面)。溝を手がかりにすると位置が固定できる。
- 関連知識:一次運動野から起こる線維は内包を通って下行する錐体路の起始となり、延髄腹側の錐体をつくる。感覚情報は視床で中継されてから各一次感覚野へ届く(嗅覚のみ視床を経由しない例外)。
- よくある間違い:味覚野を舌や側頭葉に置いてしまう誤り。味覚野は体性感覚野(中心後回)の最下部にあり、頭頂葉に属する。聴覚野(側頭葉)と混同しない。
- 臨床応用:ブローカ中枢(前頭葉外側下部)の障害では発語が拙劣になる運動性失語、ウェルニッケ中枢(聴覚野後方)の障害では言葉の意味が理解できない感覚性失語が生じる。言語野は多くの人で左半球(優位脳)にある。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
味覚野は( )の最下部とそれに隣接する領域にある。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 中心後回
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。