学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0549

理由で解く 解剖学

Q0549 神経系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題35
問題
痛覚伝導路が通らない部位はどれか。
選択肢
1 脊髄側索
2 大脳脚
3 視床
4 内包
解答
正解2(大脳脚)
解説
✗ 1. 誤り
脊髄側索
脊髄側索には外側脊髄視床路が上行しており、温痛覚を伝達する。一次ニューロンは後根神経節→後角でシナプスし、二次ニューロンが前交連で交叉してから対側の側索を上行する。痛覚伝導路が通る部位であり、本問の答えではない。
✓ 2. 正しい
大脳脚
大脳脚は中脳の腹側、錐体路(皮質脊髄路・皮質核路)などの下行性運動線維が通る部位である。上行する痛覚伝導路(脊髄視床路)は中脳では背外側の脊髄毛帯として走り、大脳脚は通らない。したがって「痛覚伝導路が通らない部位」として本問の答えとなる。中脳で痛覚は脊髄毛帯→視床(VPL核)→内包後脚→中心後回へ向かう。
✗ 3. 誤り
視床
視床の後外側腹側核(VPL)は体幹・四肢からの温痛覚・触覚の三次ニューロンの中継核である。ここでシナプスを経た線維は視床皮質路として内包後脚を通り中心後回(一次体性感覚野)へ投射する。痛覚伝導路が通るため、本問の答えではない。
✗ 4. 誤り
内包
内包後脚には視床皮質路として温痛覚・触圧覚・深部感覚を大脳皮質へ運ぶ三次線維が集中して通過する。同時に錐体路の下行線維も走るため、内包病変では対側の感覚障害と運動麻痺を同時に生じる。痛覚伝導路が通るため本問の答えではない。
ポイント
  • 温痛覚伝導路(外側脊髄視床路)は後根→後角→前交連交叉→対側側索→脳幹(脊髄毛帯)→視床VPL→内包後脚→中心後回と上行する。大脳脚は下行性錐体路の通路で痛覚は通らない。
  • 覚え方のコツ: 「大脳脚=下り(運動)/視床・内包後脚・側索=感覚も下行運動も通る」と役割で区別。中脳では感覚=脊髄毛帯、運動=大脳脚と腹背で分ける。
  • 関連知識: 深部感覚・識別性触覚は脊髄後索→延髄後索核→内側毛帯交叉→視床VPL。温痛覚は脊髄で早期交叉、深部感覚は延髄で交叉、と交叉位置が対照的。
  • よくある間違い: 大脳脚を上行性感覚路の通路と誤認/外側脊髄視床路と後索路の交叉部位を取り違える/視床と視床下部を混同。
  • 臨床応用: 中脳大脳脚病変(ウェーバー症候群)では対側片麻痺+同側動眼神経麻痺を生じるが、感覚障害は生じにくい。この臨床像は大脳脚に感覚路がないことを支持する。
比較表
部位 痛覚伝導路 主な通過線維
脊髄側索 通る 外側脊髄視床路
大脳脚 通らない 錐体路(下行)
視床VPL 通る 二次→三次シナプス
内包後脚 通る 視床皮質路+錐体路
脊髄後索 通らない 薄束・楔状束(深部感覚)
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題35|痛覚伝導路が通らない部位はどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題35|痛覚伝導路が通らない部位はどれか。
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