学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0548

理由で解く 解剖学

Q0548 神経系

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題28
問題
錐体路に関係しているのはどれか。
選択肢
1 大脳脚
2 脳梁
3 レンズ核
4 脊髄後索
解答
正解1(大脳脚)
解説
✓ 1. 正しい
大脳脚
大脳脚は中脳の腹側部にある縦走線維の束で、大脳皮質(中心前回の運動野)から下行する錐体路線維(皮質脊髄路・皮質核路)が通る代表的な通路である。錐体路は中心前回→放線冠→内包後脚→大脳脚→橋底部→延髄錐体→錐体交叉→脊髄側索(外側皮質脊髄路)と下降し、前角の運動細胞に至る。したがって大脳脚は錐体路に関係する部位であり、本問の答えとなる。
✗ 2. 誤り
脳梁
脳梁は左右の大脳半球を結ぶ最大の交連線維束で、左右半球の情報統合に働く。錐体路のような上位運動中枢から下行する伝導路ではなく、本問の答えではない。
✗ 3. 誤り
レンズ核
レンズ核は被殻と淡蒼球からなる大脳基底核の一部で、錐体外路系に属し筋緊張の調節や運動の円滑化に関与する。錐体路とは別系統の運動制御経路であり、本問の答えではない。
✗ 4. 誤り
脊髄後索
脊髄後索は薄束・楔状束からなる上行性伝導路で、識別性触覚・深部感覚(位置覚・振動覚)を伝える。運動を下行させる錐体路ではなく感覚伝導路であり、本問の答えではない。
ポイント
  • 錐体路は中心前回→内包後脚→大脳脚→橋底部→延髄錐体→錐体交叉→脊髄側索(外側皮質脊髄路)の順に下行する随意運動伝導路である。
  • 覚え方のコツ: 「中放内大脳脚 → 橋 → 延髄錐体 → 交叉 → 側索」と上から下へ地図をなぞるように暗記。大脳脚は中脳の腹側、延髄錐体は延髄腹側の隆起と位置で結びつける。
  • 関連知識: 延髄下端で約85%が交叉(錐体交叉)し対側の外側皮質脊髄路へ。残り15%は非交叉の前皮質脊髄路として同側を下行し脊髄レベルで交叉。
  • よくある間違い: 脳梁(交連線維)・レンズ核(錐体外路)・後索(感覚)を錐体路と混同。錐体路=下行性随意運動、後索=上行性深部感覚、と系統を明確に区別。
  • 臨床応用: 内包後脚の被殻出血やラクナ梗塞では錐体路線維が集中して通るため、小病変でも対側片麻痺を生じやすい。大脳脚病変ではウェーバー症候群(同側動眼神経麻痺+対側片麻痺)が典型。
比較表
部位 系統 主な機能
大脳脚 錐体路(下行) 随意運動の伝達
脳梁 交連線維 左右半球の連絡
レンズ核 錐体外路(基底核) 筋緊張・運動の調節
脊髄後索 上行性感覚路 深部感覚・識別性触覚
内包後脚 錐体路(下行) 皮質脊髄路の集束点
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題28|錐体路に関係しているのはどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題28|錐体路に関係しているのはどれか。
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