学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ F. 下肢の骨格 / Q0824

理由で解く 解剖学

Q0824 運動器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題32
問題
寛骨で体表から触れない部位はどれか。
選択肢
1 腸骨窩
2 腸骨稜
3 坐骨結節
4 上前腸骨棘
解答
正解1(腸骨窩)
解説
✓ 1. 正しい
腸骨窩
腸骨窩は腸骨の内面にある大きな浅いくぼみで、腹腔側を向いて腸骨筋の起始面となる。腹壁の深部にあり、腹腔内臓や腸骨筋・腹膜を隔てた位置にあるため体表からは触れられない。腸骨内面の構造としては、腸骨窩の後下方に仙骨と関節する耳状面、前縁には弓状線が走り骨盤分界線の一部をなす。
✗ 2. 誤り
腸骨稜
腸骨稜は腸骨の外側上縁が肥厚した稜で、腹部と殿部の境界として皮下直下に位置する。後端の上後腸骨棘のくぼみはビーナスのえくぼとして知られ、腹筋・殿筋の付着部でもあり体表から明瞭に触れる。
✗ 3. 誤り
坐骨結節
坐骨結節は寛骨下方の坐骨にある大きな隆起で、座位のときに体重がかかる部分である。大腿後面の筋(ハムストリング)や仙結節靭帯の付着部で、殿部を深く押さえると明瞭に触知できる。
✗ 4. 誤り
上前腸骨棘
上前腸骨棘は腸骨稜の前端にある突起で、鼠径靭帯の外側端が付着する。腹部と大腿の境界を示す体表の重要な基準点で、縫工筋・大腿筋膜張筋の起始でもあり、皮膚上から容易に触れる。
ポイント
  • 腸骨窩は腸骨の内面にあり、腹腔側を向くため体表から触れない。寛骨臼も深部にあり触知不可。
  • 覚え方のコツ: 「骨の〈外面・辺縁・結節〉は触れる/〈内面の窩・弓状線〉は触れない」と内外で分類する。
  • 関連知識: 寛骨で触れる部位=腸骨稜・上前腸骨棘・上後腸骨棘・坐骨結節・恥骨結節・恥骨結合。触れない部位=腸骨窩・弓状線・寛骨臼・月状面。
  • よくある間違い: 「腸骨窩」と「腸骨稜」を混同する。窩(くぼみ=内面)/稜(りょう=外縁の出っ張り)と字の意味で区別する。
  • 臨床応用: 腸骨稜は自家骨移植のドナー部位、上後腸骨棘は骨髄穿刺の穿刺部位として用いられる。
比較表
部位 位置 触知
腸骨稜 腸骨外側上縁 可(腹部と殿部の境)
上前腸骨棘 腸骨稜前端 可(鼠径靭帯付着)
上後腸骨棘 腸骨稜後端 可(ビーナスのえくぼ)
坐骨結節 坐骨下方 可(座位の体重支持点)
恥骨結節 恥骨体上方
腸骨窩 腸骨内面 不可(腹腔側)
寛骨臼 腸骨・坐骨・恥骨会合部外側 不可(深部)
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題32|寛骨で体表から触れない部位はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題32|寛骨で体表から触れない部位はどれか。
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