学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P117

理由で解く 柔道整復師

QJ34P117 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問117
問題
20歳の男性。ラグビーの試合中、右膝外側からタックルを受けた。直後から右膝内側に強い痛みがあり、プレーを続行できなかった。来所時に撮影した膝内側の長軸超音波画像(別冊 No.4)を別に示す。画像所見でみられるのはどれか。
図
選択肢
1 骨皮質の不整像
2 内側側副靱帯の肥厚
3 関節内遊離体
4 半月板の石灰化
解答
正解2(内側側副靱帯の肥厚)
解説

膝外側からのタックルは外反を強制する外力で、内側側副靱帯が損傷される。長軸超音波像では損傷した靱帯が腫れて厚みを増すため、2が該当する。正解は2。

膝に外反力が加わると内側は引き離される方向にストレスを受け、これを抑えている内側側副靱帯が破綻する。内側側副靱帯は大腿骨内側上顆から脛骨内側へ伸びる帯状の構造で、長軸像では層状の線として描出される。損傷すると出血と浮腫のために靱帯全体が厚くなり、内部のエコーが低下して線維の並びが乱れる。評価では健側を同じ肢位・同じ走査で撮り、厚みと輝度を左右で比較することが基本になる。あわせて前十字靱帯損傷や内側半月板損傷の合併(いわゆる不幸の三徴)を念頭に、関節血症の有無と不安定性の程度を確かめる。急性期は固定と冷却、荷重の調整を行い、不安定性が強い例や関節血症のある例はMRIなどによる評価のため医療機関へつなぐ。

✓ 2. 正しい
内側側副靱帯の肥厚
外反強制で内側側副靱帯が損傷されると、出血と浮腫により靱帯が厚みを増して内部エコーが低下する。急性期の長軸像で健側と比較すると捉えやすい所見であり、本例の受傷機転と疼痛部位に合致する。
✗ 1. 誤り
骨皮質の不整像
骨折や裂離骨折があれば骨表面の連続性が途切れる像が描出されるが、骨端線が閉じた20歳の外反強制では靱帯実質の破綻が主体となる。この症例で第一に想定される所見ではない。
✗ 3. 誤り
関節内遊離体
離断性骨軟骨炎や変形性膝関節症など、時間をかけて生じる病態でみられる所見である。受傷直後の膝内側長軸像で捉えられるものではない。
✗ 4. 誤り
半月板の石灰化
ピロリン酸カルシウム結晶沈着症などの慢性変性で生じる所見であり、急性外傷とは結びつかない。20歳の受傷直後にみられるものではない。
ポイント
  • 膝外側からの外力=外反強制。内側が引き離されて内側側副靱帯が損傷する
  • 超音波評価の基本は健側比較。同じ肢位・同じプローブ走査で厚みとエコー輝度を見比べる
  • 急性期の靱帯損傷像は、肥厚・低エコー化・線維配列の乱れ・周囲の血腫
  • 前十字靱帯と内側半月板の合併損傷(不幸の三徴)を念頭に、関節血症と外反不安定性を評価する
  • 初期対応はRICEと固定。不安定性が強い、関節血症があるなどの場合は医療機関へ紹介する
比較表
超音波所見示唆する病態本例との整合
内側側副靱帯の肥厚・低エコー化内側側副靱帯損傷(外反強制)合致する
骨皮質の不整像骨折・裂離骨折成人の外反強制では靱帯実質の損傷が主で、第一候補ではない
関節内遊離体離断性骨軟骨炎、変形性膝関節症慢性病態の所見。急性外傷直後には合わない
半月板の石灰化ピロリン酸カルシウム結晶沈着症などの変性20歳の急性外傷とは無関係
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