学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P108
理由で解く 柔道整復師
整復後に疼痛が軽減し、会話や開閉口がある程度できるようになったのは、下顎頭そのものは関節窩に戻ったという証拠です。それでも片側偏位が残るのは、その側の関節円板だけが前方に取り残されているためと考えます。
顎関節前方脱臼は、大開口時に下顎頭が関節結節を越えて前方に留まったまま戻れなくなったもの。整復されれば下顎頭は下顎窩に復位するので、疼痛は急速に軽くなり、閉口・会話・咀嚼が可能になります。ところが脱臼の際に前方へ引き出された関節円板は、下顎頭が戻っても円板だけが前方に残ってしまうことがあります(円板の復位障害)。その側では下顎頭の前方滑走が円板に妨げられるため開口量が伸びず、開口時に下顎は障害側へ引き寄せられて偏位します。両側性脱臼でも円板の戻り方に左右差が出れば、片側だけ偏位が残ることになります。「良くはなったが完全ではない」という本例の経過は、この状態とよく一致します。なお、関節円板の転位や変形を主体とする関節包内障害を総称して顎関節内障と呼ぶため、円板前方転位そのものも顎関節内障に含まれる病態です。選択肢1と4は対立する概念ではなく包含関係にあり、両者を分けているのは「続発」という時間軸の言葉である、という点を押さえてください。
| 整復操作後の状態 | 疼痛 | 閉口・会話 | 開口時の下顎 | 対応 |
|---|---|---|---|---|
| 円板前方転位の残存(本例) | 軽減する | 可能 | 患側へ偏位、開口量は伸びない | 大開口を避ける指導+歯科口腔外科へ紹介 |
| 下顎頭の骨折 | 増強する | 困難 | 偏位+咬合異常 | 直ちに画像診断へ |
| 整復されていない(脱臼残存) | 強いまま | 不能(開口位で固定) | 開口したまま閉じられない | 再整復、困難なら医療機関へ |
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