学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ34P095

理由で解く 柔道整復師

QJ34P095 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問95
問題
ベネット (Bennett)損傷で誤っているのはどれか。
選択肢
1 投球動作のフォロースルー期に脱力感が強くなる。
2 肩関節関節窩上方の骨棘形成によって発症する。
3 肩関節外転外旋強制で疼痛を訴える。
4 肩関節内旋可動域が減少する。
解答
正解2(肩関節関節窩上方の骨棘形成によって発症する。)
解説

ベネット損傷の骨棘は関節窩の上方ではなく後下方に形成されます。したがって2が誤りで、これが正解です。

投球動作では、コッキング期からフォロースルー期にかけて肩関節の後方に強い牽引力が繰り返しかかります。この牽引が関節窩の後下方縁に加わり続けると、その部位に骨棘(ベネット骨棘)が形成されます。これがベネット損傷です。後方の組織が硬くなるため、内旋可動域が減少するGIRDと呼ばれる状態を伴いやすく、フォロースルー期に肩後方の痛みと脱力感(いわゆるデッドアーム)を訴えます。骨棘が後下方にあるという一点を押さえておけば、部位を入れ替えた選択肢に惑わされません。関節窩の上方は上方関節唇の付着部で、ここが問題になるのはSLAP損傷という別の病態です。

✓ 2. これが誤り(正解)
肩関節関節窩上方の骨棘形成によって発症する。
骨棘が形成されるのは関節窩の後下方であり、上方ではありません。上方関節唇の病変はSLAP損傷として区別されます。部位が入れ替えられた典型的な誤り選択肢です。
✗ 1. 記述は正しい(答えではない)
投球動作のフォロースルー期に脱力感が強くなる。
フォロースルー期は肩後方に最も強い牽引がかかる時期で、後方の疼痛と脱力感(デッドアーム)が前面に出ます。ベネット損傷の訴えとして矛盾しません。
✗ 3. 記述は正しい(答えではない)
肩関節外転外旋強制で疼痛を訴える。
コッキング期に相当する外転外旋位では後下方の関節包が引き伸ばされ、骨棘のある部位にストレスが集中して疼痛が誘発されます。
✗ 4. 記述は正しい(答えではない)
肩関節内旋可動域が減少する。
後方関節包の拘縮により内旋可動域が減少します(GIRD)。左右差を測って把握でき、後方タイトネスの改善が対応の中心になります。
ポイント
  • ベネット損傷=投球の反復牽引による関節窩後下方の骨棘形成。部位が最重要。
  • 症状はフォロースルー期の肩後方痛と脱力感(デッドアーム)。
  • 外転外旋強制で疼痛が誘発される。後方関節包の拘縮により内旋可動域が減少する(GIRD)。
  • 関節窩上方の病変はSLAP損傷。部位で区別する。
  • 対応は投球数の管理と後方タイトネス・肩甲帯機能の改善が中心。神経症状(腋窩神経領域)を伴う例や難治例は医師へ紹介する。
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