学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ33P082

理由で解く 柔道整復師

QJ33P082 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問82
問題
槌指で正しいのはどれか。
選択肢
1 固定期間は2週とする。
2 腱性槌指は保存療法を行う。
3 DIP 関節を軽度屈曲位で固定する。
4 軸圧損傷では末節骨が背側に転位する。
解答
正解2(腱性槌指は保存療法を行う。)
解説

腱性槌指は、DIP関節を伸展位で持続固定する保存療法が第一選択になる。

槌指はDIP関節が屈曲したまま自動伸展できなくなった状態で、指先に軸圧が加わったり、突き指で強制的にDIP関節が屈曲したりして生じる。伸筋腱の終止腱そのものが断裂した腱性槌指と、終止腱の付着部が骨片ごと剥がれた骨性槌指に分かれる。腱性は、DIP関節を伸展位(軽度過伸展位)に保っておけば断裂した腱の断端どうしが近づき瘢痕治癒するため、副子固定による保存療法が原則となる。固定は6〜8週間、途中で一度も緩めずに続けることが要点で、一瞬でも屈曲させると修復がやり直しになる。だからこそ患者には「なぜ外してはいけないか」を具体的に説明し、入浴時の代替手段や副子のずれの確認方法まで伝えておく。固定終了後も数週間の夜間固定を追加して移行させる。骨性で骨片が大きい場合や、末節骨の掌側亜脱臼を伴う場合は観血療法の適応になるので、医師へ紹介する判断が必要になる。

✓ 2. 正しい
腱性槌指は保存療法を行う。
終止腱の断裂は、DIP関節を伸展位に保つことで断端が寄り瘢痕治癒が期待できる。したがって副子による保存療法が第一選択となる。
✗ 1. 誤り
固定期間は2週とする。
2週では腱の修復に足りない。伸展位固定を6〜8週続け、その後さらに数週の夜間固定を加えて段階的に外していく。
✗ 3. 誤り
DIP 関節を軽度屈曲位で固定する。
屈曲位では断裂した腱の断端が離れてしまう。伸展位(軽度過伸展位)で断端を寄せるのが正しい。ただし過伸展を強めすぎると背側皮膚の循環障害を招くため、程度に注意して固定する。
✗ 4. 誤り
軸圧損傷では末節骨が背側に転位する。
終止腱が働かなくなるため、末節骨は深指屈筋に引かれて掌側へ屈曲する。背側に残るのは、骨性槌指の場合に裂離した骨片のほうであり、末節骨本体ではない。
ポイント
  • 槌指=DIP関節の自動伸展ができない状態。腱性骨性に分かれる
  • 腱性槌指は保存療法が第一選択。DIP関節を伸展位(軽度過伸展位)で固定
  • 固定期間は6〜8週。途中で緩めない。その後も夜間固定で移行する
  • 末節骨は掌側へ屈曲する。背側に残るのは骨性の場合の裂離骨片
  • 骨片が大きい・掌側亜脱臼を伴う骨性槌指は観血療法の適応。医師へ紹介する
比較表
腱性槌指骨性槌指
損傷の実体終止腱の断裂終止腱付着部の裂離骨折
単純X線骨片なし末節骨背側に骨片
治療方針保存療法(伸展位固定)骨片小=保存、骨片大・亜脱臼=観血療法
固定期間の目安6〜8週+夜間固定骨癒合に準じる
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