学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ33P081

理由で解く 柔道整復師

QJ33P081 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問81
問題
手指の中節・骨掌側板付着部裂離骨折の固定肢位で正しいのはどれか。
選択肢
1 MP 関節伸展位、PIP 関節屈曲位、DIP 関節伸展位
2 MP関節伸展位、PIP関節伸展位、DIP関節屈曲位
3 MP関節屈曲位、PIP関節屈曲位、DIP関節伸展位
4 MP 関節屈曲位、PIP 関節伸展位、DIP 関節伸展位
解答
正解4(MP 関節屈曲位、PIP 関節伸展位、DIP 関節伸展位)
解説

PIP関節の過伸展で起こる中節骨底の掌側板付着部裂離骨折は、MP関節屈曲位・PIP関節伸展位・DIP関節伸展位で固定する。正しいのは4である。

掌側板はPIP関節の掌側にあって過伸展を止めるストッパーで、中節骨底の掌側に付着する。指が反り返る(過伸展強制)ことでこの付着部が引きはがされるのが本骨折である。PIP関節を伸展位に保つ目的は、本損傷で最も残りやすい後遺症であるPIP関節屈曲拘縮を防ぐことにある。MP関節は屈曲位にすることで側副靱帯が伸張位となり、短縮による拘縮を予防できる。固定除去後は伸展を保ちながら早期に自動屈曲運動を進め、挙上と軽い圧迫による腫脹管理を並行して行うと可動域の回復が早い。

✗ 1. 誤り
MP 関節伸展位、PIP 関節屈曲位、DIP 関節伸展位
PIP屈曲位は掌側板を弛緩させるが、この損傷で最も避けたいPIP関節屈曲拘縮を招いてしまう。MP伸展位も側副靱帯が弛緩位となり、拘縮の原因になる。
✗ 2. 誤り
MP関節伸展位、PIP関節伸展位、DIP関節屈曲位
PIP伸展位は適切だが、MP伸展位では側副靱帯の短縮拘縮を防げない。またDIP屈曲位を保つ必要があるのは深指屈筋腱付着部の損傷などであり、掌側板付着部の裂離では不要である。
✗ 3. 誤り
MP関節屈曲位、PIP関節屈曲位、DIP関節伸展位
MP屈曲位は妥当だが、PIP関節を屈曲位で固定すると屈曲拘縮が残りやすく、指を伸ばしきれない後遺症につながる。
✓ 4. 正しい
MP 関節屈曲位、PIP 関節伸展位、DIP 関節伸展位
MP屈曲位で側副靱帯を伸張位に保って短縮拘縮を防ぎ、PIP・DIP伸展位とすることで、本損傷で最も問題となるPIP関節屈曲拘縮を予防できる。
ポイント
  • 掌側板はPIP関節掌側で過伸展を制動し、中節骨底掌側に付着する。過伸展強制で付着部が裂離する。
  • 固定肢位はMP屈曲位・PIP伸展位・DIP伸展位。
  • MP屈曲位の目的は側副靱帯を伸張位に置き、短縮拘縮を防ぐこと。
  • PIP伸展位の目的は、掌側板損傷で最も残りやすいPIP関節屈曲拘縮の予防。
  • 固定後は伸展を保ちつつ早期から自動屈曲運動と腫脹管理を行う。
比較表
損傷損傷される構造固定肢位の考え方
中節骨底掌側板付着部裂離骨折PIP掌側板MP屈曲位・PIP伸展位・DIP伸展位(PIP屈曲拘縮の予防が主眼)
槌指(マレット指)DIP背側の終止腱・骨片DIP伸展位に保持
MP関節側副靱帯損傷MP側副靱帯MP屈曲位(靱帯を伸張位にして短縮を防ぐ)
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