学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ34P077
理由で解く 柔道整復師
肩甲骨頸部骨折は、肩関節前方脱臼と外観が似る。関節窩を含む骨片が上肢とともに下がり、肩峰が突出して三角筋部の膨隆が失われるためである。
肩甲骨頸部は関節窩のすぐ内側のくびれた部分で、ここが折れると関節窩の骨片が上腕骨とつながったまま下方・前内方へずれる。すると肩の丸みをつくっていた骨頭の位置が下がり、外から見て三角筋部の膨隆が消え、代わりに肩峰が角張って突出する。これは肩関節前方脱臼で典型的にみられる外観とほぼ同じであり、見た目だけでは区別できない。鑑別の手掛かりは動きと触診にある。脱臼では骨頭が関節窩から外れて引っかかるため弾発性固定を示し、他動運動をさせるとばねのように戻る。頸部骨折では弾発性固定がなく、他動運動は可能だが疼痛が強く、骨折部に限局性の圧痛と軋轢音がある。また脱臼では烏口突起下などに骨頭を触れる。判断に迷う場合は無理に整復操作を行わず、上肢を体幹に保持して固定し、画像診断のできる医療機関へ紹介する。
| 肩甲骨頸部骨折 | 肩関節前方脱臼 | |
|---|---|---|
| 外観 | 三角筋部の膨隆消失、肩峰突出 | 三角筋部の膨隆消失、肩峰突出 |
| 弾発性固定 | なし(他動運動は可能) | あり |
| 骨頭の位置 | 関節窩とともに下がる | 烏口突起下などに触れる |
| 局所所見 | 骨折部の限局性圧痛・軋轢音 | 関節窩の空虚感 |
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