学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ34P089
理由で解く 柔道整復師
母指MP関節の背側脱臼で主として破綻するのは掌側板であり、側副靱帯の完全断裂が多いわけではありません。よって4が誤りで、これが正解です。
第1中手指節(MP)関節は掌側板と両側の側副靱帯で支えられています。母指が強く反り返ると、まず掌側板が中手骨頭(頸部)側の付着部で裂けます。掌側板は基節骨底には強固に付いたままなので、基節骨といっしょに背側へ移動し、基節骨が中手骨頭の背側へ乗り上げて背側脱臼となります。背側へ回り込んだ掌側板が中手骨頭と基節骨のあいだに挟まると徒手整復が効かなくなる、というのが後述する水平脱臼=観血療法の理由です。このとき側副靱帯は伸張されたり部分損傷を受けたりはしますが、両側とも完全に断裂することは多くありません。側副靱帯(とくに尺側側副靱帯)の完全断裂は、母指が外転方向へ強制されて起こるスキーヤー母指・ゲームキーパー母指という別の外傷であり、受傷機転そのものが異なります。「過伸展なら掌側板、外転強制なら側副靱帯」と機転で紐づけて覚えると取り違えません。
| 比較項目 | 垂直脱臼 | 水平脱臼 |
|---|---|---|
| 基節骨の位置 | 中手骨頭に対しほぼ直立 | 中手骨頭に対しほぼ平行に横たわる |
| 掌側板・種子骨の位置 | 背側へ移動するが関節内には挟まりにくい | 中手骨頭の背側に回り込み関節間隙に嵌入する |
| 徒手整復 | 可能 | 困難(複雑性脱臼) |
| 治療方針 | 徒手整復+固定 | 観血療法 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。