学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ34P090

理由で解く 柔道整復師

QJ34P090 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問90
問題
指節間関節の脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 PIP掌側脱臼ではスワンネック変形が遅れて出現する。
2 PIP 背側脱臼は PIP 関節が過屈曲して生じる。
3 DIP掌側脱臼はボタン穴変形を呈する。
4 DIP 背側脱臼は DIP 関節が過伸展して生じる。
解答
正解4(DIP 背側脱臼は DIP 関節が過伸展して生じる。)
解説

指節間関節の背側脱臼は関節の過伸展で起こります。DIP背側脱臼がDIP関節の過伸展で生じるとする4が正しい記述です。

指節間関節脱臼は「どちらへ外れたか」と「どの伸展機構が壊れたか」の2点で整理すると混乱しません。背側脱臼は関節の過伸展で起こり、掌側板が断裂します。指節間関節の脱臼はこの背側脱臼が圧倒的に多く、突き指の代表格です。掌側脱臼は伸展機構が破綻するため、後から変形が現れるのが厄介です。PIP関節には伸筋腱の中央索が付着するので、PIP掌側脱臼では中央索が損傷され、側索が掌側へ落ち込んでPIP屈曲・DIP過伸展のボタン穴(ボタンホール)変形が遅れて出現します。DIP関節には終止腱が付着するので、DIP掌側脱臼では終止腱が損傷され槌指(マレットフィンガー)変形となります。スワンネック変形はPIPが過伸展・DIPが屈曲する変形で、掌側板の弛緩などを背景に生じ、成り立ちが異なります。

✓ 4. 正しい
DIP 背側脱臼は DIP 関節が過伸展して生じる。
指先に軸方向と伸展方向の力が加わって掌側板が破れ、末節骨が背側へ転位します。背側脱臼は指節間関節脱臼の大多数を占め、整復も比較的容易ですが、掌側板損傷を伴うため整復後の固定と後療法が必要です。
✗ 1. 誤り
PIP掌側脱臼ではスワンネック変形が遅れて出現する。
PIP掌側脱臼で遅れて出現するのはボタン穴変形です。中央索が断裂して側索が掌側へ滑り落ち、PIPが屈曲・DIPが過伸展した形になります。スワンネック変形はこれと逆の形(PIP過伸展・DIP屈曲)です。
✗ 2. 誤り
PIP 背側脱臼は PIP 関節が過屈曲して生じる。
背側脱臼は過伸展強制で生じます。ボールが指先に当たって指が反り返る典型的な突き指の機転で、掌側板が断裂して中節骨が背側へ転位します。
✗ 3. 誤り
DIP掌側脱臼はボタン穴変形を呈する。
ボタン穴変形はPIP関節の中央索損傷で起こるものです。DIP関節には中央索がなく終止腱が付着するため、DIP掌側脱臼で生じるのは槌指(マレットフィンガー)変形です。
ポイント
  • 背側脱臼=過伸展で発生、掌側板が断裂。指節間関節脱臼の大多数を占める。
  • 掌側脱臼=伸展機構の損傷。変形が遅れて出るのが特徴。
  • PIPには中央索 → PIP掌側脱臼はボタン穴変形(PIP屈曲・DIP過伸展)。
  • DIPには終止腱 → DIP掌側脱臼は槌指(マレット)変形。
  • スワンネック変形はPIP過伸展・DIP屈曲。ボタン穴変形と形が逆。
比較表
脱臼発生機序損傷される構造後に生じる変形
PIP背側脱臼過伸展掌側板(適切な固定で変形は残りにくい)
PIP掌側脱臼屈曲+回旋など中央索ボタン穴変形
DIP背側脱臼過伸展掌側板(同上)
DIP掌側脱臼屈曲強制終止腱槌指(マレット)変形
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