学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ34P087

理由で解く 柔道整復師

QJ34P087 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問87
問題
肘関節脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 女性に多い。
2 青壮年に多い。
3 直達外力による発生が多い。
4 反復性となりやすい。
解答
正解2(青壮年に多い。)
解説

肘関節脱臼は青壮年に多い。スポーツや労働で転倒し手をつく機会が多い年代に、介達外力で発生する。

肘関節脱臼は肩関節脱臼に次いで頻度が高く、10 歳代から 20 歳代を中心とした青壮年に多い。典型的な受傷機転は、転倒して手をついた際に肘が過伸展を強制されるもので、外力は手から前腕を介して肘へ伝わる介達外力である。このとき鉤状突起が滑車から外れ、前腕が後方へ移動する後方脱臼となる。外観では肘頭の後方突出、上腕三頭筋腱の索状の緊張、肘関節軽度屈曲位での弾発性固定がみられ、上腕骨顆上骨折との鑑別にはヒューター三角の乱れの有無が手掛かりとなる。肘は上腕骨滑車と尺骨滑車切痕がかみ合う骨性の安定性が高い関節であり、反復性脱臼になることはまれである。ただし整復後は、内側側副靱帯損傷、尺骨神経障害、上腕動脈損傷、そして骨化性筋炎に注意し、強引な他動運動やマッサージは避けて、自動運動を中心に可動域を戻していく。

✓ 2. 正しい
青壮年に多い。
スポーツや労働で転倒・接触の機会が多い 10〜20 歳代を中心とした青壮年に好発する。全脱臼のなかでも肩関節に次いで頻度が高い。
✗ 1. 誤り
女性に多い。
実際には男性に多い。スポーツ活動や労働作業での受傷機会の差が背景にある。
✗ 3. 誤り
直達外力による発生が多い。
転倒して手をつき、肘が過伸展を強制される介達外力による発生が多い。外力は手から前腕を介して肘に伝わる。
✗ 4. 誤り
反復性となりやすい。
滑車と滑車切痕のかみ合わせによる骨性安定性が高く、反復性脱臼はまれである。反復性を来しやすいのは肩関節である。
ポイント
  • 肘関節脱臼は肩関節に次いで多く、青壮年(10〜20 歳代中心)の男性に好発する。
  • 受傷機転は転倒して手をつく介達外力による肘の過伸展強制。多くは後方脱臼。
  • 所見は肘頭の後方突出、上腕三頭筋腱の緊張、軽度屈曲位での弾発性固定。
  • 上腕骨顆上骨折との鑑別にはヒューター三角の乱れの有無を用いる。
  • 骨性安定性が高く反復性はまれ。整復後は尺骨神経・上腕動脈の状態を確認し、骨化性筋炎を避けるため強引な他動運動を控え自動運動主体で進める。
比較表
肘関節脱臼肩関節脱臼
頻度全脱臼中 2 番目に多い最も多い
好発青壮年・男性青壮年・男性
主な機転手をついた際の過伸展強制(介達外力)外転・外旋・水平伸展の強制(介達外力)
反復性まれ(骨性安定性が高い)なりやすい
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