学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ34P086
理由で解く 柔道整復師
肩関節前方脱臼の後に水平伸展の筋力増強運動を行うのは適切でない。この方向は前方の関節包・関節唇を伸ばし、再脱臼を招く肢位に重なるためである。
肩関節前方脱臼は、上腕骨頭が前下方へ押し出されて起こる。骨頭を前へ押し出す肢位は外転・外旋・水平伸展(水平外転)の組合せであり、この方向は損傷した前方の関節包、関節上腕靱帯、関節唇にそのまま張力をかける。修復途上の組織を繰り返し伸ばせば、緩んだまま治って不安定性が残り、再脱臼につながる。したがって後療では、まずこの危険肢位を避けたうえで、骨頭を関節窩に引きつける方向に働く筋を鍛えるのが原則になる。具体的には、肩甲下筋を中心とした内旋、大胸筋・広背筋・大円筋による内転、そして体幹の前で行う屈曲方向の運動を、疼痛のない範囲から段階的に進める。回旋筋腱板と肩甲骨周囲筋の協調が戻ってきたら、外旋や外転の範囲を医師と相談しながら少しずつ広げ、最後にスポーツ動作へつなげる。
| 運動方向 | 理由 | |
|---|---|---|
| 初期に進める | 内旋、内転、屈曲 | 骨頭を関節窩へ引きつけ、前方組織を伸ばさない |
| 初期は避ける | 水平伸展、外旋、外転(特に組合せ) | 前方関節包・関節唇に張力がかかり再脱臼肢位となる |
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