学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ34P081

理由で解く 柔道整復師

QJ34P081 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問81
問題
大腿骨の骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 大腿骨顆上屈曲型骨折の骨折線は前上方から後下方に走行する。
2 大腿骨遠位骨端線離開伸展型では遠位骨片は前上方に転位する。
3 大腿骨外顆骨折の骨折線は顆間窩から外側上顆近位部に走行する。
4 大腿骨内顆骨折では骨片は内上方に転位する。
解答
正解1(大腿骨顆上屈曲型骨折の骨折線は前上方から後下方に走行する。)
解説

大腿骨顆上骨折の屈曲型で、骨折線が前上方から後下方に走るという記述は誤りである。これは伸展型の走行にあたる。

顆上骨折の型は、受傷時の膝の肢位と外力の向きで決まり、それによって骨折線の傾きと遠位骨片の転位方向が対になって決まる。伸展型は膝が伸びた状態で過伸展が強制されるもので、骨折線は前上方から後下方へ走り、遠位骨片は腓腹筋に引かれて後方へ転位する。この後方転位は膝窩の血管・神経を圧迫しうるため、足背動脈の拍動、足趾の色調・感覚を必ず確認する。屈曲型は膝屈曲位で膝の前面から外力を受けるもので、骨折線は逆に前下方から後上方へ走り、遠位骨片は前方へ転位する。したがって選択肢 1 は型と骨折線の走行の組合せが入れ替わっている。他の 3 つは、それぞれの骨折で牽引する筋や外力の向きから導ける転位・走行を正しく述べている。

✓ 1. これが誤り(正答)
大腿骨顆上屈曲型骨折の骨折線は前上方から後下方に走行する。
前上方から後下方へ走るのは伸展型である。屈曲型は逆に前下方から後上方へ走り、遠位骨片は前方へ転位する。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
大腿骨遠位骨端線離開伸展型では遠位骨片は前上方に転位する。
過伸展が強制される伸展型では、遠位の骨端側が前方へすべるように転位する。近位骨片の断端が後方の血管・神経を脅かす点に注意する。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
大腿骨外顆骨折の骨折線は顆間窩から外側上顆近位部に走行する。
関節面側の顆間窩から始まり、外側上顆の近位へ抜ける走行をとる関節内骨折であり、記述のとおりである。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
大腿骨内顆骨折では骨片は内上方に転位する。
内転筋群が内転筋結節付近に付着して骨片を引くため、内上方へ転位する。付着筋の走行から転位方向を導ける。
ポイント
  • 顆上骨折は「膝の肢位」で型が決まり、骨折線の傾きと遠位骨片の転位方向が対になる。
  • 伸展型:骨折線は前上方→後下方、遠位骨片は腓腹筋に引かれて後方転位。
  • 屈曲型:骨折線は前下方→後上方、遠位骨片は前方転位。
  • 遠位骨片の後方転位は膝窩の血管・神経を圧迫しうる。足背動脈の拍動と足部の感覚・色調を必ず確認する。
  • 内顆骨折は内転筋群に引かれて骨片が内上方へ。付着筋を思い浮かべれば転位方向は導ける。
比較表
伸展型屈曲型
受傷時の膝伸展位で過伸展が強制される屈曲位で前面から外力を受ける
骨折線の走行前上方 → 後下方前下方 → 後上方
遠位骨片の転位後方(腓腹筋の牽引)前方
注意点膝窩の血管・神経損傷膝関節前面の軟部組織損傷
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