学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ34P080
理由で解く 柔道整復師
バットのグリップエンドが手掌の小指球寄りに突き当たることで折れるのは有鈎骨、なかでも掌側に突出する鈎の部分である。
有鈎骨の鈎は手掌の尺側、豆状骨のやや遠位橈側に掌側へ突き出している。野球のバット、ゴルフクラブ、テニスラケットなどのグリップエンドがちょうどこの高さで手掌に食い込むため、スイング時や空振り・地面を叩いた際に直達外力が加わって鈎が折れる。症状は握力低下と、鈎の直上を押したときの限局性圧痛、握る動作での疼痛である。鈎のすぐ隣を尺骨神経が走るため、小指と環指尺側のしびれや骨間筋の筋力低下を伴うことがあり、深部の屈筋腱が擦れて断裂することもある。通常の手関節正面像では鈎が重なって写りにくく見逃されやすいので、スポーツ歴と圧痛部位が合えば、専用の撮影方向や CT が可能な医療機関へ紹介する。放置すると偽関節になりやすい点も押さえておく。
| 手根骨 | 典型的な受傷機転 | 手掛かりとなる所見 |
|---|---|---|
| 有鈎骨(鈎) | グリップエンドが手掌尺側に衝突 | 握力低下、鈎直上の圧痛、尺骨神経症状 |
| 三角骨 | 手関節の背屈強制 | 手関節背側尺側の圧痛 |
| 月状骨 | 背屈位で手をついた際の軸圧 | 手関節中央部の圧痛、キーンベック病との関連 |
| 大菱形骨 | 母指方向からの軸圧・橈側への直達外力 | 母指基部の圧痛、母指運動時痛 |
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