学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ24P084

理由で解く 柔道整復師

QJ24P084 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問84
問題
上前腸骨棘裂離骨折の骨片転位を起こすのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 縫工筋
2 大腿直筋
3 大腿筋膜張筋
4 長内転筋
解答
正解1(縫工筋)、3(大腿筋膜張筋)
解説

上前腸骨棘には縫工筋と大腿筋膜張筋が付着する。この2つが収縮して骨片を下外方へ引くことで転位が生じる。

骨盤の裂離骨折は、骨端核が癒合していない思春期のスポーツ選手に多い。上前腸骨棘はスプリントのスタートや急な方向転換で縫工筋・大腿筋膜張筋が強く収縮したときに裂離し、骨片は両筋に引かれて遠位・外側へ転位する。付着部を整理しておくと、下前腸骨棘は大腿直筋(キック動作)、坐骨結節はハムストリングス、恥骨は内転筋群、腸骨稜は腹筋群、小転子は腸腰筋というように、動作から損傷部位を推測できる。対応は付着筋を緩める肢位での安静が基本で、上前腸骨棘なら股関節屈曲・外転位をとる。

✓ 1. 正しい
縫工筋
上前腸骨棘から起こり、下内方へ走って脛骨粗面内側(鵞足)に至る。収縮すると骨片を遠位方向へ引く。
✓ 3. 正しい
大腿筋膜張筋
上前腸骨棘とその外側の腸骨稜前部から起こり腸脛靱帯に移行する。収縮すると骨片を下外方へ引く。
✗ 2. 誤り
大腿直筋
起始は下前腸骨棘(直頭)と寛骨臼上縁(反転頭)。裂離を起こすのは下前腸骨棘であり、上前腸骨棘の骨片を引く筋ではない。ボールを蹴る動作での下前腸骨棘裂離骨折と結びつけて覚える。
✗ 4. 誤り
長内転筋
恥骨結節付近から起こり大腿骨粗線に付く内転筋。裂離を起こすとすれば恥骨部であり、上前腸骨棘とは関係しない。
ポイント
  • 上前腸骨棘=縫工筋+大腿筋膜張筋 → 骨片は下外方へ転位
  • 下前腸骨棘=大腿直筋(キック動作)
  • 坐骨結節=ハムストリングス/恥骨=内転筋群/腸骨稜=腹筋群/小転子=腸腰筋
  • 骨盤裂離骨折は骨端核未閉鎖の思春期スポーツ選手に多い
  • 対応は付着筋を緩める肢位での安静(上前腸骨棘なら股関節屈曲・外転位)
比較表
裂離部位付着筋誘因となる動作
上前腸骨棘縫工筋、大腿筋膜張筋スタートダッシュ、方向転換
下前腸骨棘大腿直筋ボールを蹴る
坐骨結節ハムストリングスハードル、開脚
小転子腸腰筋股関節の急激な屈曲
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