学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ34P074

理由で解く 柔道整復師

QJ34P074 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問74
問題
頸椎骨折の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 環椎破裂骨折-ジェファーソン(Jefferson) 骨折
2 軸椎椎体骨折-ハングマン骨折
3 椎体破裂骨折-ティアドロップ骨折
4 椎体前辺縁部骨折-チャンス(Chance)骨折
解答
正解1(環椎破裂骨折-ジェファーソン(Jefferson) 骨折)
解説

環椎の破裂骨折がジェファーソン骨折である。頸椎・胸腰椎の固有名がついた骨折は、部位と受傷機転をセットにして整理すると混同しない。

頭頂部から垂直に軸圧が加わると、力は後頭顆から環椎の外側塊へ下向きに伝わる。環椎はリング状で椎体を持たないため、外側塊が外側へ押し広げられ、前弓と後弓が複数箇所で割れる。これがジェファーソン骨折で、リングが外へ開くぶん脊髄の入る空間はむしろ広がるため、初期には麻痺を伴わないことがある点が特徴であり、また見落としの原因にもなる。これに対し、頸椎の過伸展に軸圧が加わって軸椎(C2)の椎弓根=関節突起間部が両側で折れ、C2 の椎体が C3 に対して前方へすべるものがハングマン骨折で、外傷性軸椎すべり症とも呼ばれる。すべりが起こる高位は C2/C3 間であり、C1/C2 を指す「環軸椎」という語とは別物なので、環椎(ジェファーソン骨折の部位)と混ぜないよう注意する。さらに、頸椎椎体の前下縁が三角形の骨片となって剥がれるものはティアドロップ骨折、胸腰椎移行部で椎体から椎弓へ水平に走る骨折線を生じるシートベルト損傷はチャンス骨折である。頸部外傷を疑ったら頸椎を動かさず、用手的に頭頸部を保持したまま搬送する。

✓ 1. 正しい
環椎破裂骨折-ジェファーソン(Jefferson) 骨折
頭頂部からの軸圧で環椎のリングが外へ弾け、前弓・後弓が破裂するのがジェファーソン骨折。組合せとして正しい。
✗ 2. 誤り
軸椎椎体骨折-ハングマン骨折
ハングマン骨折は、過伸展+軸圧により軸椎(C2)の椎弓根=関節突起間部が両側で折れ、C2 椎体が C3 に対して前方へすべるもので、外傷性軸椎すべり症と呼ばれる。椎体そのものの骨折ではないため、この組合せは誤り。
✗ 3. 誤り
椎体破裂骨折-ティアドロップ骨折
ティアドロップ骨折は椎体前下縁が涙のしずく状の三角形骨片となって分離するもので、椎体全体が圧壊して周囲へ飛散する破裂骨折とは形が異なる。
✗ 4. 誤り
椎体前辺縁部骨折-チャンス(Chance)骨折
チャンス骨折はシートベルト装着中の急停止で体幹が屈曲し、胸腰椎移行部を椎体から椎弓へ水平に走る骨折線が横断するもの。椎体前辺縁部だけの骨折を指す名称ではない。
ポイント
  • ジェファーソン骨折=環椎(C1)の破裂骨折。頭頂部からの軸圧でリングが外へ開くため、初期に麻痺を欠くことがある。
  • ハングマン骨折=軸椎(C2)の椎弓根(関節突起間部)骨折。過伸展+軸圧で C2 椎体が C3 に対して前方へすべる=外傷性軸椎すべり症。
  • すべりの高位は C2/C3 間。C1/C2 を指す「環軸椎」と混同して「外傷性環軸椎すべり症」と覚えないこと。
  • ティアドロップ骨折=椎体前下縁の三角形骨片。屈曲・軸圧で生じる。
  • チャンス骨折=胸腰椎移行部のシートベルト損傷。椎体から椎弓へ水平に走る骨折線。
  • 固有名は「どの骨の・どこが・どんな力で」の 3 点セットで覚える。頸部外傷は頸椎を動かさず保持して搬送する。
比較表
名称部位受傷機転
ジェファーソン骨折環椎 C1(前弓・後弓の破裂)頭頂部からの垂直軸圧
ハングマン骨折軸椎 C2 の椎弓根(関節突起間部)。C2/C3 間で前方すべり過伸展+軸圧
ティアドロップ骨折頸椎椎体の前下縁屈曲+軸圧
チャンス骨折胸腰椎移行部(椎体から椎弓へ水平に横断)シートベルト装着下の急激な屈曲
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。