学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ34P070

理由で解く 柔道整復師

QJ34P070 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問70
問題
骨粗鬆症患者の運動指導で適切でないのはどれか。
選択肢
1 立ち上がり動作
2 ウォーキング
3 体幹前屈運動
4 坐位で下肢筋のストレッチ
解答
正解3(体幹前屈運動)
解説

骨粗鬆症患者に体幹前屈運動を勧めるのは適切でない。前屈は椎体の前方部分に圧縮力を集中させ、圧迫骨折の引き金になりうるためである。

骨粗鬆症の椎体は、海綿骨の梁構造が細く疎になり、わずかな圧縮力でも潰れやすくなっている。体幹を前屈すると回転の支点が椎体後方に移り、前方の椎体には体重と上半身の重みが増幅されて加わるため、くさび状に前方が潰れる圧迫骨折が起こりやすい。実際、骨粗鬆症の患者に屈曲中心の運動を行わせた群では、伸展中心の運動を行わせた群よりも椎体骨折の発生が多かったことが知られている。したがって運動指導では、背筋を働かせる伸展方向の運動、体重をかけて骨に刺激を与える荷重運動、そして転倒そのものを減らすためのバランス・下肢筋力訓練を軸に組み立てる。物を拾うときは腰を丸めず、股関節と膝を曲げてしゃがむ、という日常動作の指導まで含めて伝えるとよい。

✓ 3. これが適切でない(正答)
体幹前屈運動
前屈は椎体前方に圧縮力を集中させ、圧迫骨折を招きやすい。代わりに背筋を使う伸展運動や、股関節と膝を曲げてしゃがむ動作指導に置き換える。
✗ 1. 適切(答えではない)
立ち上がり動作
椅子からの立ち座りは下肢筋力とバランスを同時に鍛えられ、転倒予防に直結する。手すりや椅子の背を支えにして安全に反復させるとよい。
✗ 2. 適切(答えではない)
ウォーキング
歩行は骨に体重による刺激を繰り返し与える荷重運動であり、骨量の維持に働く。屋外では路面や履物にも注意を向けるよう助言する。
✗ 4. 適切(答えではない)
坐位で下肢筋のストレッチ
坐位で行えば転倒の危険が小さく、脊柱に大きな圧縮力もかからない。下肢の柔軟性は歩幅の確保やつまずき防止につながる。
ポイント
  • 骨粗鬆症では脊柱の屈曲(前屈)運動を避ける。椎体前方に圧縮力が集中し、圧迫骨折の誘因になる。
  • 勧めるのは伸展(背筋)方向の運動、荷重運動、バランス・下肢筋力訓練の 3 本柱。
  • 骨折は転倒から起こる。転倒しにくい身体づくりと環境調整まで含めて指導する。
  • 物を拾う・靴を履くなどの日常動作は、腰を丸めず股関節と膝を曲げてしゃがむ形に置き換える。
  • 運動は坐位や支持物ありなど、安全に行える設定から始めて負荷を上げる。
比較表
内容理由
勧める背筋の伸展運動、歩行などの荷重運動、立ち上がり訓練、坐位ストレッチ骨への刺激とバランス・筋力の確保、転倒予防
避ける体幹前屈運動、腰を丸めた前かがみでの持ち上げ、体幹の強い回旋椎体前方への圧縮力集中により圧迫骨折を招きやすい
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