学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §3 総論 説明と同意 / QJ34P069

理由で解く 柔道整復師

QJ34P069 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問69
問題
柔道整復師が行うインフォームド・コンセントで正しいのはどれか。
選択肢
1 患者の自主選択権を尊重する。
2 患者の同意後の変更は認めない。
3 認知症高齢者には説明は不要である。
4 観血療法の説明は不要である。
解答
正解1(患者の自主選択権を尊重する。)
解説

インフォームド・コンセントの中核は、患者が自分で選ぶ権利(自己決定権)の尊重です。したがって1が正しい記述です。

インフォームド・コンセントは「十分な説明を受けたうえでの同意」を意味します。柔道整復師も、負傷の状態、これから行う施術の内容と目的、見込まれる期間や経過、費用、他に取りうる選択肢(医師の診察や観血療法を含む)、施術を受けない場合の見通しを、患者が理解できる言葉で説明する必要があります。そのうえで患者自身が選び、同意することで施術が成り立ちます。同意は一度得たら終わりではなく、症状や方針が変われば改めて説明し、患者はいつでも撤回・変更できます。理解力や判断力が十分でない患者に対しても、本人にわかる形で説明を尽くしたうえで、家族や代理人の関与を得て意思決定を支援するのが原則です。

✓ 1. 正しい
患者の自主選択権を尊重する。
複数の選択肢とそれぞれの利点・不利益を示し、患者が納得して選べるように支えることがインフォームド・コンセントの本質です。施術者が一方的に決めるのではなく、患者の決定を支援する関係が前提になります。
✗ 2. 誤り
患者の同意後の変更は認めない。
同意はいつでも撤回・変更できます。経過や症状が変われば、その都度説明し直して改めて同意を得るのが正しい進め方です。同意書に署名があることは、以後の説明を省略してよい理由にはなりません。
✗ 3. 誤り
認知症高齢者には説明は不要である。
理解力に応じて平易な言葉、短い文、図や実演などを用い、まず本人に説明するのが原則です。そのうえで家族や成年後見人にも説明し、本人の意思や以前からの価値観を尊重した意思決定支援を行います。説明を省くのではなく、伝え方を工夫します。
✗ 4. 誤り
観血療法の説明は不要である。
柔道整復師自身は観血療法を行いませんが、観血療法という治療選択肢が存在すること、その適応が疑われる場合には医師の診察が必要であることを説明する責任があります。適応が疑われるときは速やかに医療機関へ紹介します。
ポイント
  • インフォームド・コンセント=十分な説明にもとづく同意。中核は患者の自己決定権の尊重。
  • 説明すべき内容:負傷の状態、施術内容と目的、期間・経過の見込み、費用、他の選択肢、施術しない場合の見通し。
  • 同意はいつでも撤回・変更できる。方針が変われば説明し直す。
  • 判断能力が十分でない患者にも、わかる形で本人に説明したうえで家族・代理人と意思決定を支援する。
  • 観血療法の適応が疑われるときは、その選択肢を説明し医療機関へ紹介する。
比較表
場面望ましい対応避けるべき対応
施術方針の決定選択肢と利害を示し患者が選ぶ施術者が一方的に決める
同意後の経過変化説明し直し、改めて同意を得る初回同意を根拠に説明を省く
認知症高齢者平易な言葉で本人に説明+家族・後見人へ本人への説明を省略する
観血療法の適応が疑われる選択肢を説明し医療機関へ紹介説明せず施術を継続する
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