学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §4 総論 施術前の確認 / QJ26P074

理由で解く 柔道整復師

QJ26P074 柔道整復理論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問74
問題
直ちに医師の診察を要するのはどれか。
選択肢
1 徒手整復前に末梢動脈の拍動を認めなかった。
2 蒼白だった顔色が徒手整復後に紅潮してきた。
3 包帯施行後に末梢部にしびれ感を訴えた。
4 固定除去後に関節可動域が制限されていた。
解答
正解1(徒手整復前に末梢動脈の拍動を認めなかった。)
解説

末梢動脈の拍動が触れないのは血行障害(動脈の圧迫・損傷)を示す危険信号で、時間の経過が予後を左右する。直ちに医師の診察につなぐ。

骨折や脱臼では、転位した骨片や骨頭が動脈を圧迫・損傷することがある。拍動消失に加え、蒼白・疼痛・知覚異常・運動麻痺・冷感といった阻血のサインがそろえば、放置によりフォルクマン拘縮や組織壊死へ進行しうる。この場合は整復操作を続けることに固執せず、締めつけている包帯や装具をただちに外し、患肢を心臓の高さに保って保温し、救急対応のできる医療機関へ搬送する。他の3つは経過観察でよいもの、あるいは施術者側で原因を取り除いて再評価できるものであり、「今すぐ医師でなければ対応できないか」で優先順位を判断する。

✓ 1. 正しい
徒手整復前に末梢動脈の拍動を認めなかった。
血管の圧迫・損傷による阻血が疑われる状態で、緊急性が最も高い。患肢の色調・温度・知覚・運動も併せて確認し、記録したうえで直ちに医師の診察へつなぐ。阻血は時間とともに不可逆的な筋・神経の障害を残すため、様子をみる選択肢はない。
✗ 2. 該当しない
蒼白だった顔色が徒手整復後に紅潮してきた。
受傷時の疼痛や不安に伴う一過性の循環反応(血管迷走神経反射)から回復していく過程で、整復により疼痛が軽減したことを反映する。臥位で安静・保温を保ち、意識状態や脈拍を確認しながら経過をみればよい。
✗ 3. 該当しない
包帯施行後に末梢部にしびれ感を訴えた。
包帯による圧迫が原因のことが多い。まず包帯を緩めるか巻き直し、末梢の色調・温度・拍動・知覚を確認して症状が消えるかをみる。緩めても改善しない、あるいは麻痺や拍動消失を伴う場合は医師の診察につなぐ。
✗ 4. 該当しない
固定除去後に関節可動域が制限されていた。
固定期間中の不動による拘縮で、想定される経過の範囲内。温熱や運動療法などの後療法で段階的に可動域の回復を図る。改善が乏しい場合や強い疼痛・腫脹を伴う場合に、あらためて医師と連携する。
ポイント
  • 末梢動脈拍動の消失=血行障害のサイン。5P(疼痛・蒼白・知覚異常・麻痺・拍動消失)を確認し、直ちに医師へ。
  • 阻血を放置するとフォルクマン拘縮・組織壊死につながる。時間が最重要因子。
  • 包帯後のしびれは、まず圧迫の解除(緩める・巻き直す)と再評価。改善しなければ医師へ。
  • 整復後の顔色回復や固定除去後のROM制限は、経過観察・後療法で対応できる範囲。
  • 固定の前後で必ず末梢の色調・温度・知覚・運動・拍動をチェックし記録する習慣をつける。
比較表
状況意味するもの取るべき行動
整復前に末梢動脈拍動なし動脈の圧迫・損傷による阻血圧迫を解除し、直ちに医師の診察へ(最優先)
包帯後のしびれ包帯による圧迫が多い包帯を緩めて再評価。改善なければ医師へ
整復後に顔色が紅潮血管迷走神経反射からの回復臥位安静・保温で経過観察
固定除去後のROM制限不動による拘縮(想定内)後療法で段階的に可動域を回復
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