学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §24 部位別各論 足・足趾 / QJ34P066

理由で解く 柔道整復師

QJ34P066 整形外科学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問66
問題
扁平足で正しいのはどれか。
選択肢
1 外反母趾を合併しやすい。
2 踵骨は内反する。
3 前脛骨筋の機能不全がある。
4 治療用矯正靴を用いる。
解答
正解1(外反母趾を合併しやすい。)
解説

扁平足は内側縦アーチが低下した状態で、後足部の外反と前足部の開張を伴い、その結果として外反母趾を合併しやすくなります。正答は1です。

アーチが落ちると足全体でどう連鎖するかを追うと、選択肢の正誤が自然に決まります。距骨下関節が回内すると踵骨は外反し、距骨は内下方へ滑り落ちて内側縦アーチが低下します。すると荷重は足の内側に偏り、蹴り出しのたびに第1中足骨頭の内側に力が集中します。同時に横アーチも下がって前足部が横に広がる開張足となり、第1中足骨が内反する分だけ母趾は相対的に外反位へ押しやられ、外反母趾が進みます。つまり扁平足・開張足・外反母趾は同じ連鎖の上に並ぶ変化です。この内側縦アーチを動的に吊り上げているのが後脛骨筋で、成人期に扁平足が新たに進行する主因は後脛骨筋腱の機能不全です。治療は、小児の柔らかい扁平足なら多くが成長とともに改善するため経過観察が基本で、有症状例では足底挿板(アーチサポート)による支持と、後脛骨筋を中心とした筋力訓練、下腿三頭筋のストレッチを行います。

✓ 1. 正しい
外反母趾を合併しやすい。
アーチ低下により荷重が足内側に偏り、前足部が開張して第1中足骨が内反するため、母趾は外反位へ押しやられます。扁平足・開張足・外反母趾は連続した変化としてまとめて理解できます。
✗ 2. 誤り
踵骨は内反する。
扁平足では距骨下関節が回内するため、踵骨は外反します。後方から立位を観察すると踵が外側に傾き、アキレス腱が外方凸に弯曲して見え、足の外側から母趾以外の足趾がのぞくtoo many toes signがみられます。内反するのは凹足や内反足です。
✗ 3. 誤り
前脛骨筋の機能不全がある。
内側縦アーチを動的に支え、成人期扁平足の主因となるのは後脛骨筋の腱機能不全です。舟状骨に停止して足部を内がえし・底屈させ、アーチを吊り上げる役目を担っています。前脛骨筋は足関節の背屈に主に働き、その麻痺で生じるのは下垂足です。
✗ 4. 誤り
治療用矯正靴を用いる。
かつては矯正靴が用いられましたが、アーチそのものを形成させる効果は確認されていません。現在の対応は、小児の柔らかい扁平足では経過観察を基本とし、疼痛など症状がある場合に足底挿板でアーチを支え、あわせて後脛骨筋の強化と下腿三頭筋のストレッチを指導する方法が中心です。
ポイント
  • 扁平足=内側縦アーチの低下。距骨下関節の回内に伴い踵骨は外反する(内反ではない)。
  • 連鎖は「アーチ低下 → 開張足 → 第1中足骨内反 → 外反母趾」。合併しやすい理由がこれ。
  • 内側縦アーチの動的支持は後脛骨筋。成人期扁平足の主因は後脛骨筋腱機能不全。
  • 立位後方からのtoo many toes signが観察のポイント。
  • 治療は足底挿板と筋力訓練・ストレッチが中心。小児の柔らかい扁平足は経過観察でよいことが多い。
比較表
扁平足凹足(ハイアーチ)
内側縦アーチ低下過度に高い
後足部外反(回内)内反(回外)
関連する筋後脛骨筋の機能不全下腿・足内在筋の不均衡(神経疾患が背景のことがある)
合併しやすい変形開張足、外反母趾鉤爪趾、足底腱膜の緊張
主な対応足底挿板、後脛骨筋強化衝撃吸収性の高い足底挿板、原因疾患の検索
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。