学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §24 部位別各論 足・足趾 / QJ32P066

理由で解く 柔道整復師

QJ32P066 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問66
問題
足部に生じないのはどれか。
選択肢
1 ケーラー(Kohler)病
2 ジョーンズ(Jones)骨折
3 モートン(Morton) 病
4 キーンベック(Kienböck)病
解答
正解4(キーンベック(Kienböck)病)
解説

キーンベック病は手根骨(月状骨)の無腐性壊死で、足部には生じない。残る3つはいずれも足部の疾患である。

部位ちがいを見抜く問題なので、足部でよく問われる疾患をひとまとめにし、そこから外れるものを探すのが速い。ケーラー病は足舟状骨、ジョーンズ骨折は第5中足骨、モートン病は中足骨頭の間を走る趾神経と、いずれも歩行時の荷重や圧迫が集中する足部の構造と結びつく。一方キーンベック病は手関節にある月状骨の阻血性壊死(月状骨軟化症)で、手をよく使う成人男性に多い。名前の響きが似ているケーラー(足の舟状骨)とキーンベック(手の月状骨)は取り違えやすいので、足と手で対にし、骨の位置を思い浮かべて覚えると安定する。

✗ 1. 足部に生じる(答えではない)
ケーラー(Kohler)病
足部に生じるため、設問の条件には当てはまらない。第1ケーラー病は足舟状骨の骨端症で、5歳前後の男児に多く、足内側の痛みと跛行を示す。荷重の軽減とアーチを支える足底板で経過をみることが多い。
✗ 2. 足部に生じる(答えではない)
ジョーンズ(Jones)骨折
足部に生じるため、設問の条件には当てはまらない。第5中足骨の近位骨幹部(基部との移行部)に起こる骨折で、切り返し動作の多い競技者に生じる疲労骨折の性格をもつ。この部位は血行に乏しく遷延治癒や偽関節になりやすいので、保存療法を選ぶ場合は痛みが引いても計画的な固定・免荷と段階的な復帰を組む必要がある。ただし保存療法では癒合が得られにくく再骨折もしやすいため、競技者や再骨折例では髄内スクリュー固定などの手術が選択されることが多い。
✗ 3. 足部に生じる(答えではない)
モートン(Morton) 病
足部に生じるため、設問の条件には当てはまらない。主に第3・第4中足骨頭の間で趾神経が圧迫・絞扼され、前足部の疼痛と足趾のしびれが出る。幅の狭い靴やハイヒールが誘因になりやすく、幅にゆとりのある靴へ変更し、中足骨パッドで骨頭部を除圧する。
✓ 4. 足部に生じない(これが答え)
キーンベック(Kienböck)病
キーンベック病は手関節の月状骨に起こる阻血性壊死(月状骨軟化症)で、足部の疾患ではない。手をよく使う青壮年男性に多く、手関節背側中央の痛みと腫脹、握力低下、手関節の可動域制限がみられる。手関節部の痛みが長引く例では、この疾患を念頭に置いて画像評価につなげる。
ポイント
  • 足部の代表:ケーラー病(足舟状骨)、フライバーグ病=第2ケーラー病(第2中足骨骨頭)、ジョーンズ骨折(第5中足骨近位)、モートン病(第3・4中足骨頭間の趾神経)。
  • 手の代表:キーンベック病(月状骨)、プライザー病(手の舟状骨)。いずれも手根骨の無腐性壊死。
  • ケーラー(足の舟状骨)とキーンベック(手の月状骨)は名前が似る。足と手で対にして覚える。
  • ジョーンズ骨折は血行に乏しい部位の疲労骨折で、偽関節・再骨折を起こしやすい難治性骨折。競技者や再骨折例では髄内スクリュー固定などの手術が選択されることが多い。
  • モートン病は神経の絞扼が本態。靴の見直しと中足骨パッドによる除圧が基本になる。
比較表
疾患部位病態好発
ケーラー病(第1)足舟状骨骨端症(無腐性壊死)5歳前後・男児
ジョーンズ骨折第5中足骨近位骨幹部疲労骨折の性格をもつ骨折。難治性で手術が選ばれることが多い切り返しの多い競技者
モートン病第3・4中足骨頭間趾神経の絞扼性障害中年女性・幅の狭い靴
キーンベック病月状骨(手根骨)無腐性壊死(月状骨軟化症)手を酷使する青壮年男性
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