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理由で解く 柔道整復師

QJ34P052 外科学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問52
問題
2010年に施行された改正臓器移植法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 本人の意思がなければ、家族の同意があっても臓器提供は不可となった。
2 15歳未満での法的脳死判定が可能となった。
3 虐待から脳死にいたった小児からの移植は禁止された。
4 親族への優先提供が容認された。
解答
正解1(本人の意思がなければ、家族の同意があっても臓器提供は不可となった。)
解説

設問は「誤っているもの」を選ぶ問題。2010年施行の改正臓器移植法では、本人の提供意思が不明でも家族の承諾があれば臓器提供ができるようになったので、1が誤りで正解となる。

1997年の旧法では、本人が書面で提供意思を表示していること、かつ家族が拒まないことの両方が必要だった。意思表示が有効とされる年齢が15歳以上と扱われたため、15歳未満の小児からの脳死下臓器提供は事実上できず、小児の患者は海外での移植に頼らざるをえなかった。2010年7月に全面施行された改正法では、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾で提供が可能となり、この変更に伴って15歳以上という意思表示年齢の制約がなくなり、15歳未満でも法的脳死判定と提供が可能になった(ただし生後12週未満は法的脳死判定の対象外で、在胎週数40週未満で出生した場合は出生予定日から起算して12週未満が除外される)。あわせて、書面で意思表示していれば親族(配偶者・子・父母)への優先提供が認められ、18歳未満の提供者では虐待の有無を確認し、虐待を受けて死亡した疑いがある場合には提供しない運用が定められた。

✓ 1. これが誤り(正解)
本人の意思がなければ、家族の同意があっても臓器提供は不可となった。
改正法の中心はここが逆方向に変わった点にある。本人が生前に拒否の意思を示していない限り、意思が不明でも家族の承諾で提供できるようになった。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
15歳未満での法的脳死判定が可能となった。
家族の承諾で提供できるようになったことに伴い、15歳以上という意思表示年齢の制約がなくなり、15歳未満の小児でも法的脳死判定と脳死下臓器提供ができるようになった。ただし年齢の下限が一切なくなったわけではなく、生後12週未満(在胎週数40週未満で出生した場合は出生予定日から起算して12週未満)は法的脳死判定の対象から除外されている。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
虐待から脳死にいたった小児からの移植は禁止された。
小児からの提供が可能になったことに対応し、18歳未満では虐待の有無を確認する体制を整え、虐待を受けて死亡した疑いがある場合は提供しないこととされた。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
親族への優先提供が容認された。
書面で意思表示していれば、親族(配偶者・子・父母)へ優先的に提供する意思を示すことが認められた。
ポイント
  • この問題は「誤っているもの」を探す形式。改正で何が変わったかを一つずつ確認して消していく。
  • 2010年改正の最大の変更点は、本人の意思が不明でも家族の承諾で臓器提供ができるようになったこと。
  • その結果、15歳未満の小児でも法的脳死判定・脳死下臓器提供が可能になった。
  • 18歳未満では虐待の有無を確認し、虐待が疑われる場合は提供しない。
  • 書面での意思表示があれば、親族(配偶者・子・父母)への優先提供が認められる。
比較表
項目1997年施行の旧法2010年施行の改正法
本人の提供意思書面による意思表示が必須不明でも家族の承諾で提供可(本人の拒否があれば不可)
15歳未満からの提供できないできる(法的脳死判定も可。ただし生後12週未満は法的脳死判定の対象外)
親族への優先提供認められない書面での意思表示により容認
虐待が疑われる児童規定なし18歳未満は虐待の有無を確認し、疑いがあれば提供しない
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