学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ34P034

理由で解く 柔道整復師

QJ34P034 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問34
問題
急性膵炎の原因とならないのはどれか。
選択肢
1 自己免疫
2 胆嚢ポリープ
3 アルコール多飲
4 胆石・総胆管結石
解答
正解2(胆嚢ポリープ)
解説

この設問は「急性膵炎の原因とならないもの」を選ぶ。胆嚢ポリープは胆嚢壁の隆起性病変で、膵液や胆汁の流出路をふさがないため急性膵炎の原因とはならない。

急性膵炎は、本来十二指腸で活性化されるはずの膵酵素が膵内で活性化し、膵臓自身を消化してしまう病態である。引き金になるのは、膵液の流出障害と膵腺房細胞の直接障害の二つが主で、成因としてはアルコールと胆石が二大原因を占める。胆石や総胆管結石はファーター乳頭部に嵌頓して膵液の流出を妨げ、アルコールは膵液の粘稠度を高めるとともに腺房細胞を直接傷害する。このほか自己免疫(自己免疫性膵炎)、高中性脂肪血症、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後、薬剤、外傷なども成因に挙げられる。一方、胆嚢ポリープは胆嚢の内腔に突出する病変であり、それ自体が総胆管や膵管を閉塞することはないため、成因には含まれない。上腹部から背部へ放散する持続痛と、前屈で軽減する所見は膵炎を疑う手がかりで、こうした訴えがあれば施術ではなく速やかな医療機関受診につなげる。

✓ 2. これが答え(急性膵炎の原因とならない)
胆嚢ポリープ
胆嚢壁から内腔に突出する隆起性病変で、大半はコレステロールポリープである。総胆管や膵管の流出路をふさぐ位置にないため、膵酵素の膵内活性化を引き起こさない。
✗ 1. 答えではない(急性膵炎の原因となる)
自己免疫
自己免疫性膵炎として急性膵炎の成因分類に含まれる。IgG4関連疾患の一つとされ、膵の腫大や膵管の狭細像を示す。
✗ 3. 答えではない(急性膵炎の原因となる)
アルコール多飲
膵腺房細胞への直接障害と膵液の粘稠度上昇により膵炎を起こす。胆石と並ぶ二大成因の一つで、男性に多い。
✗ 4. 答えではない(急性膵炎の原因となる)
胆石・総胆管結石
結石がファーター乳頭部に嵌頓して膵液の流出を妨げ、膵内で酵素が活性化する。胆石性膵炎として代表的な成因である。
ポイント
  • 急性膵炎の本態は、膵酵素の膵内活性化による膵の自己消化。
  • 二大成因はアルコール(男性に多い)と胆石(女性に多い)。ほかに自己免疫、高中性脂肪血症、ERCP後、薬剤、外傷。
  • 胆嚢ポリープは流出路を閉塞しないため成因にならない。
  • 症状は上腹部痛の背部放散、前屈位(海老姿勢)で軽減、悪心・嘔吐。
  • 血中・尿中アミラーゼやリパーゼの上昇が診断の手がかり。重症例では循環不全に至るため、疑ったら速やかに医療機関へ。
比較表
成因膵炎を起こす仕組み急性膵炎の原因
胆石・総胆管結石乳頭部嵌頓による膵液流出障害なる
アルコール多飲腺房細胞の直接障害、膵液粘稠度上昇なる
自己免疫自己免疫性膵炎として膵に炎症なる
胆嚢ポリープ胆嚢内腔の隆起性病変で流出路を閉塞しないならない
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