学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ34P035

理由で解く 柔道整復師

QJ34P035 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問35
問題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)で正しいのはどれか。
選択肢
1 喫煙が原因となる。
2 漏斗胸を呈する。
3 吸気が延長する。
4 聴診で呼吸音が増強する。
解答
正解1(喫煙が原因となる。)
解説

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、長期の喫煙を主因とする気道と肺胞の慢性炎症性疾患である。喫煙が最大の危険因子であり、禁煙が治療の中心となる。

たばこ煙などの有害物質を長年吸い込むと、末梢気道に慢性炎症が起き、同時に肺胞壁が破壊されて気腫性変化が進む。肺胞壁は細気管支を外側から引っ張って開いておく役割をもつため、これが失われると呼気時に気道が虚脱し、息を吐き出せなくなる。その結果、呼気が延長し、患者は口をすぼめて気道内圧を保ちながら息を吐く(口すぼめ呼吸)。吐き切れない空気が肺にたまって肺は過膨張し、胸郭は前後径の増した樽状胸郭となり、横隔膜は平低化する。聴診では、気流速度が落ちて末梢気道での音の発生自体が減り、さらに過膨張して含気の多くなった肺が音を伝えにくくなるため、呼吸音はむしろ減弱する。打診では含気の増加を反映して鼓音(過共鳴音)となる。診断はスパイロメトリーで、気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV₁/FVC)が70%未満であることが指標とされる。

✓ 1. 正しい
喫煙が原因となる。
COPDの最大の危険因子であり、患者の多くが長期喫煙者である。禁煙は病期にかかわらず進行を抑える最も有効な介入とされる。
✗ 2. 誤り
漏斗胸を呈する。
漏斗胸は胸骨が陥凹する先天的な胸郭変形である。COPDでは肺の過膨張により前後径が増した樽状胸郭となる。
✗ 3. 誤り
吸気が延長する。
延長するのは呼気である。呼気時に末梢気道が虚脱して息を吐き出しにくくなるため、口すぼめ呼吸で対応する。
✗ 4. 誤り
聴診で呼吸音が増強する。
呼吸音は減弱する。気流速度の低下で末梢気道での音の発生が減り、加えて過膨張した肺が音を伝えにくくなるためである。打診では含気の増加を反映して鼓音(過共鳴音)となる。
ポイント
  • COPDの最大の原因は喫煙。禁煙が最も重要な対策。
  • 呼気時に末梢気道が虚脱 → 呼気延長、口すぼめ呼吸。
  • 肺の過膨張 → 樽状胸郭、横隔膜平低化、打診で鼓音。
  • 呼吸音減弱の機序は「気流低下で音の発生が減る+過膨張した肺が音を伝えにくい」。
  • 診断は気管支拡張薬吸入後の1秒率70%未満。労作性呼吸困難、慢性の咳・痰が主症状で、進行するとばち指や右心不全(肺性心)を伴う。
比較表
所見COPDでの実際誤りやすい対比
胸郭樽状胸郭(前後径増大)漏斗胸=先天性の胸骨陥凹
呼吸相呼気が延長、口すぼめ呼吸吸気延長=上気道狭窄
聴診呼吸音減弱(気流低下+伝導低下)増強=肺の含気低下(肺炎など)
打診鼓音(過共鳴音)濁音=胸水・無気肺
肺機能1秒率70%未満(閉塞性)拘束性=%肺活量80%未満
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