学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ34P036

理由で解く 柔道整復師

QJ34P036 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問36
問題
自然気胸で正しいのはどれか。
選択肢
1 突然の胸痛で発症する。
2 喘鳴を伴う。
3 呼吸音が増強する。
4 胸水が貯留する。
解答
正解1(突然の胸痛で発症する。)
解説

自然気胸は肺の表面が突然破れて胸腔に空気が漏れる病態で、突発する胸痛と呼吸困難で発症するのが典型である。

原発性自然気胸は、10代後半から30代のやせ型で長身の男性に多く、肺尖部にできたブラ(気腫性嚢胞)やブレブが破綻して起こる。胸腔に空気が入ると陰圧が失われ、肺は自らの弾性で虚脱する。このため患側では呼吸音が減弱ないし消失し、打診では含気の増加を反映して鼓音となり、胸部X線で虚脱した肺と肺紋理のない透過性亢進域が確認される。破れた部位が一方向弁のようになって胸腔内圧が上がり続けると緊張性気胸となり、縦隔が健側へ偏位して静脈還流が妨げられ、血圧低下・頸静脈怒張・チアノーゼを伴うショックに至る。施術中に突然の胸痛と呼吸困難を訴えた場合は、直ちに施術を中止し、楽に呼吸できる座位で安静を保ち、バイタルサインを確認しながら速やかに医療機関受診または救急要請につなげる。

✓ 1. 正しい
突然の胸痛で発症する。
ブラ・ブレブの破綻という瞬間的な出来事で始まるため、発症時刻を特定できるほど突然の胸痛・呼吸困難・乾性咳嗽で現れる。
✗ 2. 誤り
喘鳴を伴う。
喘鳴は気道が狭くなることで生じる音で、気管支喘息などが代表である。気胸は気道ではなく胸腔の問題であり、喘鳴は特徴ではない。
✗ 3. 誤り
呼吸音が増強する。
肺が虚脱するため患側の呼吸音は減弱ないし消失する。あわせて打診では鼓音を呈する。
✗ 4. 誤り
胸水が貯留する。
胸腔に貯留するのは空気である。胸水の貯留は胸膜炎、心不全、悪性腫瘍などでみられ、打診では逆に濁音となる。
ポイント
  • 原発性自然気胸はやせ型・長身の若年男性に多く、肺尖部のブラ・ブレブ破綻で生じる。
  • 症状は突然の胸痛・呼吸困難・乾性咳嗽。発症時刻がはっきりしていることが多い。
  • 身体所見は患側の呼吸音減弱〜消失、打診で鼓音、胸郭運動の低下。
  • 緊張性気胸では血圧低下・頸静脈怒張・気管の健側偏位を伴い、緊急脱気が必要。
  • 施術中に疑ったら中止し、座位で安静・バイタル確認のうえ速やかに医療機関へつなぐ。
比較表
所見気胸(空気が貯留)胸水貯留(液体が貯留)
打診鼓音(過共鳴音)濁音
呼吸音患側で減弱〜消失患側で減弱〜消失
声音振盪減弱減弱
代表的な原因ブラ・ブレブ破綻、外傷胸膜炎、心不全、悪性腫瘍
発症様式突然比較的緩徐
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。