学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ24P034

理由で解く 柔道整復師

QJ24P034 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問34
問題
慢性閉塞性肺疾患の特徴はどれか。
選択肢
1 初発症状は胸痛である。
2 病因の多くはたばこ煙である。
3 マイコプラズマ肺炎に引き続いて起こる。
4 ツベルクリン反応が強陽性に出る。
解答
正解2(病因の多くはたばこ煙である。)
解説

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙。たばこ煙などの有害物質を長期に吸い込むことで生じる、気道と肺胞の慢性炎症が本態である。

有害物質の吸入が続くと、末梢気道に炎症性の狭窄が起こり、肺胞壁が破壊されて気腫性変化が進む。その結果、息を吐き出しにくい閉塞性換気障害となり、呼吸機能検査では気管支拡張薬吸入後の1秒率が70%未満となることが診断の要件である。可逆性に乏しい点が、発作性で可逆性のある気管支喘息との大きな違い。症状は労作時の息切れと慢性の咳・痰で始まり、進行すると樽状胸、口すぼめ呼吸、体重減少、右心不全(肺性心)がみられる。治療の土台は禁煙で、これに気管支拡張薬、呼吸リハビリテーション、インフルエンザ・肺炎球菌ワクチン、必要に応じて在宅酸素療法を組み合わせる。

✓ 2. 正しい
病因の多くはたばこ煙である。
長期の喫煙による気道・肺胞の慢性炎症が本態で、「たばこ病」とも呼ばれる。禁煙が唯一、進行を遅らせる基本の対策となる。これが本問の答え。
✗ 1. 誤り
初発症状は胸痛である。
初発症状は労作時の息切れや慢性の咳・痰。胸痛が前面に出る疾患ではなく、胸痛があれば気胸や虚血性心疾患など別の病態を考える。
✗ 3. 誤り
マイコプラズマ肺炎に引き続いて起こる。
マイコプラズマ肺炎は若年者に多い急性の感染症で、多くは治癒する。COPDは長期の有害物質吸入による慢性炎症の結果であり、特定の肺炎の後遺症として起こるものではない。
✗ 4. 誤り
ツベルクリン反応が強陽性に出る。
ツベルクリン反応は結核菌感染やBCG接種による細胞性免疫を調べる検査。COPDの診断に用いるのは呼吸機能検査(1秒率70%未満)である。
ポイント
  • COPDの最大の原因は喫煙。禁煙が治療の土台
  • 診断は気管支拡張薬吸入後の1秒率70%未満(閉塞性換気障害)
  • 初発症状は労作時息切れ・慢性の咳と痰
  • 身体所見:樽状胸、打診で鼓音、呼吸音減弱、呼気延長、口すぼめ呼吸
  • 進行すると肺性心(右心不全)、体重減少。ワクチン接種と呼吸リハビリテーションも重要
比較表
項目COPD気管支喘息
主因喫煙など有害物質の長期吸入アレルギーを背景とした気道炎症
好発年齢中高年小児〜成人(幅広い)
気流閉塞の可逆性乏しい可逆性あり(発作性)
経過持続的・進行性発作と寛解を繰り返す
基本の対策禁煙、気管支拡張薬、呼吸リハ吸入ステロイドによる長期管理
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