学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ24P035

理由で解く 柔道整復師

QJ24P035 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問35
問題
大動脈弁狭窄症で正しいのはどれか。
選択肢
1 胸痛が起こることはない。
2 聴診で収縮期逆流性雑音を聴取する。
3 心エコー検査で大動脈弁に逆流を認める。
4 動脈硬化による弁の石灰化により起こることが多い。
解答
正解4(動脈硬化による弁の石灰化により起こることが多い。)
解説

高齢化した現在、大動脈弁狭窄症の多くは加齢と動脈硬化に伴う弁の石灰化によって起こる。狭くなった弁口を血液が通るため、収縮期に駆出性雑音を生じる。

弁口が狭くなると左室は高い圧をかけて血液を押し出さねばならず、求心性の左室肥大が進む。肥大した心筋は酸素需要が増える一方、拡張期の冠灌流は不足しがちなので、冠動脈に狭窄がなくても労作時に狭心痛が起こる。運動時に心拍出量を増やせないため脳血流が保てず失神し、やがて左心不全に至る。狭心痛・失神・心不全が三徴で、症状が出てからの予後は悪い。聴診では第2肋間胸骨右縁を最強点とする収縮期駆出性(漸増漸減型)雑音が頸部へ放散し、脈は立ち上がりが遅く小さい(遅脈・小脈)。心エコーで弁の石灰化、弁口面積の減少、通過血流速度と圧較差の上昇を確認する。他の原因には先天性二尖弁やリウマチ性がある。

✓ 4. 正しい
動脈硬化による弁の石灰化により起こることが多い。
加齢に伴う変性・石灰化が主な成因で、高齢者に多い。これが本問の答え。
✗ 1. 誤り
胸痛が起こることはない。
左室肥大による酸素需要の増加と冠灌流不足のため、労作時に狭心痛が起こる。失神・心不全と合わせて三徴をなす重要な症状である。
✗ 2. 誤り
聴診で収縮期逆流性雑音を聴取する。
聴取されるのは収縮期駆出性(漸増漸減型)雑音。収縮期の逆流性(全収縮期)雑音は僧帽弁閉鎖不全症で聴かれる。
✗ 3. 誤り
心エコー検査で大動脈弁に逆流を認める。
逆流を認めるのは大動脈弁閉鎖不全症。狭窄症では弁の開放制限、石灰化、弁口面積の減少、圧較差の上昇が所見となる。
ポイント
  • 大動脈弁狭窄症の主因は加齢・動脈硬化による弁の石灰化(他に先天性二尖弁、リウマチ性)
  • 三徴=狭心痛・失神・心不全。出現すると予後不良
  • 聴診:第2肋間胸骨右縁を最強点とする収縮期駆出性(漸増漸減)雑音、頸部へ放散
  • 脈は遅脈・小脈。左室は求心性肥大
  • 大動脈弁閉鎖不全では拡張期逆流性雑音、脈圧増大、速脈・大脈
比較表
項目大動脈弁狭窄症大動脈弁閉鎖不全症
雑音収縮期駆出性(漸増漸減)拡張期逆流性
最強点第2肋間胸骨右縁第3肋間胸骨左縁(エルブ領域)
遅脈・小脈速脈・大脈、脈圧増大
左室求心性肥大(圧負荷)拡張+肥大(容量負荷)
主症状狭心痛・失神・心不全動悸、労作時息切れ
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