学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ24P036

理由で解く 柔道整復師

QJ24P036 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問36
問題
バージャー(Buerger)病で正しいのはどれか。
選択肢
1 喫煙者に多い。
2 女性に多い。
3 高齢者に多い。
4 上肢に多い。
解答
正解1(喫煙者に多い。)
解説

バージャー病(閉塞性血栓血管炎)は喫煙との関連がきわめて強い疾患で、正解は1である。若年〜壮年の男性の下肢に好発する。

四肢の中小動脈に分節性の炎症が起こり、そこに血栓ができて内腔が閉塞する。原因は完全には解明されていないが、患者のほぼ全例が喫煙者であり、禁煙すると症状が軽快し喫煙を再開すると悪化するという経過から、喫煙が発症と増悪の中心的な因子と考えられている。したがって治療の土台は禁煙であり、薬物療法や血行再建より先に取り組むべき事項となる。好発は20〜40歳代の男性で、症状は下肢の冷感・しびれから始まり、間欠性跛行、安静時痛、さらに進むと足趾の潰瘍・壊疽へと進行する。遊走性静脈炎やレイノー現象を伴うことがあり、動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症(ASO)との鑑別点になる。施術の場では、下肢の痛みを訴える若い喫煙者では足背動脈・後脛骨動脈の拍動を必ず確認し、拍動の減弱や左右差、皮膚色の変化、冷感があれば血管外科・循環器内科への紹介を行い、あわせて禁煙を勧める。

✓ 1. 正しい
喫煙者に多い。
患者のほぼ全例が喫煙者であり、禁煙により症状が改善し、再喫煙で悪化することが知られている。喫煙は発症因子であると同時に増悪因子でもあるため、禁煙が治療の第一歩として位置づけられる。
✗ 2. 誤り
女性に多い。
圧倒的に男性に多く、男女比はおよそ9対1とされる。喫煙習慣の分布とも関連すると考えられている。女性に多い血管系の疾患としては、若年女性に好発する高安動脈炎(大動脈炎症候群)が対照的な例である。
✗ 3. 誤り
高齢者に多い。
好発年齢は20〜40歳代で、若年〜壮年に発症するのが特徴である。高齢者に多いのは動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症(ASO)で、こちらは糖尿病・高血圧・脂質異常症を背景に持つことが多い。年齢はこの2疾患を分ける第一の手がかりになる。
✗ 4. 誤り
上肢に多い。
病変は下肢に多く、足趾や下腿の症状で気づかれることが大半である。ASOに比べて上肢にも病変が及びやすいのはバージャー病の特徴の一つだが、頻度としてはあくまで下肢優位であり、「上肢に多い」とはいえない。
ポイント
  • バージャー病=閉塞性血栓血管炎。四肢の中小動脈に分節性の炎症と血栓性閉塞を生じる。
  • キーワードは「若年(20〜40歳代)・男性・喫煙・下肢」。治療の土台は禁煙である。
  • 症状は冷感・しびれ→間欠性跛行→安静時痛→潰瘍・壊疽と段階的に進行する。
  • 遊走性静脈炎やレイノー現象を伴うことがあり、ASOとの鑑別点になる。
  • 下肢痛を訴える喫煙者では足背動脈・後脛骨動脈の拍動、左右差、皮膚色・皮膚温を確認し、異常があれば血管外科・循環器内科へ紹介する。
比較表
項目バージャー病(閉塞性血栓血管炎)閉塞性動脈硬化症(ASO)
好発年齢20〜40歳代の若年〜壮年中高年(おおむね50歳以降)
性差男性に著しく多い男性にやや多い
主な背景因子喫煙動脈硬化(糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙)
侵される血管四肢の中小動脈(分節性)大〜中動脈(腸骨・大腿動脈など)
好発部位下肢優位。上肢にも及びうる下肢(近位側から)
随伴所見遊走性静脈炎、レイノー現象他部位の動脈硬化性病変(虚血性心疾患など)
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