学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ24P033

理由で解く 柔道整復師

QJ24P033 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問33
問題
血清アミラーゼが上昇する疾患はどれか。
選択肢
1 胃炎
2 肝硬変
3 急性膵炎
4 逆流性食道炎
解答
正解3(急性膵炎)
解説

血清アミラーゼが上昇する代表は急性膵炎。膵の腺房細胞が壊れて、本来は腸管へ出るはずの消化酵素が血中へ漏れ出るためである。

アミラーゼは膵臓と唾液腺から分泌されるデンプン分解酵素。急性膵炎ではアルコール多飲や胆石の嵌頓を契機に、膵内でトリプシンなどが活性化して膵自体を消化してしまい、血中・尿中のアミラーゼが上昇する。上昇は発症後数時間で始まり2〜3日で戻ることが多いため、受診が遅れた例ではリパーゼのほうが診断に有用である。症状は上腹部から背部へ抜ける持続する激痛で、前かがみ(胸膝位)で軽減するのが特徴。悪心・嘔吐、発熱を伴い、重症化すればショックに至る。絶食と輸液が治療の基本なので、このような腹痛では施術を行わず、直ちに医療機関へつなぐ。なお高アミラーゼ血症をみたら膵型か唾液腺型かを分けて考える。唾液腺型が上がる代表は流行性耳下腺炎で、このときリパーゼは膵特異性が高いため上昇しない。この点が高アミラーゼ血症の鑑別で最も実用的な手がかりになる。

✓ 3. 正しい
急性膵炎
膵酵素の逸脱により血清・尿中アミラーゼが上昇する。上腹部から背部への持続痛、前傾で軽減する体位とともに押さえる。これが本問の答え。
✗ 1. 誤り
胃炎
上腹部痛という症状は共通するが、アミラーゼが上昇する病態ではない。診断は上部消化管内視鏡による。
✗ 2. 誤り
肝硬変
上昇するのはAST・ALT、ビリルビン、アンモニアなど。アルブミンと血小板は低下し、プロトロンビン時間が延長する。アミラーゼは指標にならない。
✗ 4. 誤り
逆流性食道炎
胃酸の食道への逆流による粘膜傷害で、胸やけ・呑酸が主症状。膵酵素とは無関係である。
ポイント
  • アミラーゼは膵型と唾液腺型がある。膵型上昇=急性膵炎・膵癌、唾液腺型上昇=流行性耳下腺炎
  • リパーゼは膵特異性が高く、唾液腺由来の高アミラーゼ血症(流行性耳下腺炎など)では上昇しない
  • 急性膵炎の二大成因はアルコールと胆石
  • アミラーゼは発症数時間で上昇し2〜3日で低下。経過が長い例ではリパーゼが有用
  • 上腹部〜背部の持続痛、前かがみで軽減する体位が特徴。治療は絶食と輸液
  • 肝硬変ではAST・ALT・ビリルビン上昇、アルブミン・血小板低下
比較表
検査値上昇する代表疾患
膵型アミラーゼ・リパーゼ急性膵炎、膵癌
唾液腺型アミラーゼ流行性耳下腺炎(リパーゼは上昇しない)
AST・ALT肝炎、肝硬変、脂肪肝
ALP・γ-GTP・ビリルビン胆道閉塞、胆管炎
CK心筋梗塞、筋疾患、挫滅
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