学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ34P033

理由で解く 柔道整復師

QJ34P033 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問33
問題
食道静脈瘤をきたすのはどれか。
選択肢
1 肝硬変
2 食道炎
3 食道癌
4 胃・十二指腸潰瘍
解答
正解1(肝硬変)
解説

食道静脈瘤は門脈圧亢進によって生じる側副血行路の拡張である。その最大の原因が肝硬変である。

消化管から集まった血液は門脈を通って肝臓に入る。肝硬変では肝小葉が線維化と再生結節に置き換わって肝内の血流抵抗が上がり、門脈の圧が高まる。行き場を失った血液は本来細い側副血行路へ流れ込み、左胃(胃冠状)静脈から食道下部の粘膜下静脈へ大量に流れることで、静脈がこぶ状に膨らんだ食道静脈瘤ができる。粘膜のすぐ下にあるため破綻しやすく、大量吐血・下血から出血性ショックに至ることがある。同じ門脈圧亢進の現れとして、腹壁静脈の怒張(メデューサの頭)、痔核、脾腫、腹水も生じる。「食道静脈瘤を見たら門脈圧亢進、その先に肝硬変」とつなげて覚えるとよい。

✓ 1. 正しい
肝硬変
肝内血流抵抗の上昇により門脈圧が高まり、左胃静脈を介した側副血行路として食道下部の静脈が拡張する。食道静脈瘤の最も代表的な原因である。
✗ 2. 誤り
食道炎
胃酸の逆流などによる粘膜の炎症で、びらんや潰瘍を生じる。胸やけ・呑酸が主症状で、静脈の拡張とは機序が異なる。
✗ 3. 誤り
食道癌
上皮由来の悪性腫瘍で、嚥下障害やつかえ感を生じる。出血をきたすことはあるが、門脈圧亢進による静脈瘤ではない。
✗ 4. 誤り
胃・十二指腸潰瘍
胃酸・ペプシンやヘリコバクター・ピロリなどによる粘膜の欠損で、吐血・下血の原因にはなるが食道静脈瘤は形成しない。
ポイント
  • 食道静脈瘤の本体は門脈圧亢進による側副血行路。原因の代表が肝硬変。
  • 経路は「門脈 → 左胃(胃冠状)静脈 → 食道下部粘膜下静脈」。
  • 門脈圧亢進の他の徴候:腹壁静脈怒張(メデューサの頭)、痔核、脾腫、腹水。
  • 破裂すると大量吐血・下血から出血性ショックとなる緊急事態。
  • 肝硬変では黄疸、くも状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房、羽ばたき振戦(肝性脳症)もみられる。
比較表
疾患主な病変特徴的な症状
肝硬変門脈圧亢進による食道静脈瘤大量吐血、腹水、脾腫、黄疸
逆流性食道炎粘膜のびらん・潰瘍胸やけ、呑酸
食道癌上皮性悪性腫瘍嚥下時のつかえ感、体重減少
胃・十二指腸潰瘍粘膜筋板を越える組織欠損心窩部痛、吐血・タール便
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