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理由で解く 柔道整復師

QJ34P031 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問31
問題
糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡でみられるのはどれか。
選択肢
1 チェーン・ストークス呼吸
2 クスマウル呼吸
3 ビオー呼吸
4 奇異呼吸
解答
正解2(クスマウル呼吸)
解説

糖尿病性ケトアシドーシスでは代謝性アシドーシスを呼吸で代償しようとするため、深く大きい規則的な呼吸(クスマウル呼吸)がみられる。

インスリンが著しく不足すると細胞はブドウ糖を利用できず、脂肪を分解してケトン体(アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸など)を大量に産生する。ケトン体は酸なので血液のpHが下がり、代謝性アシドーシスとなる。生体はこれを補正するため換気量を増やしてCO₂を吐き出そうとし、その結果、深くて大きい呼吸が規則正しく続くクスマウル呼吸が現れる。呼気にアセトン臭(果実のような甘酸っぱい臭い)を伴い、口渇・多尿・脱水・意識障害を伴うのが典型像である。異常呼吸は「深さ・リズム・周期性のどれが崩れているか」で整理すると鑑別しやすい。

✓ 2. 正しい
クスマウル呼吸
代謝性アシドーシスに対する呼吸性代償として現れる、深く大きく規則的な呼吸。糖尿病性ケトアシドーシスのほか尿毒症でもみられる。
✗ 1. 誤り
チェーン・ストークス呼吸
無呼吸と、次第に深くなりまた浅くなる呼吸を周期的に繰り返す型。重症心不全や脳血管障害など、呼吸中枢へのCO₂の伝達が遅れる病態でみられる。
✗ 3. 誤り
ビオー呼吸
深さもリズムも不規則で、突然の無呼吸を挟む型(失調性呼吸)。髄膜炎や延髄など脳幹の障害でみられる。
✗ 4. 誤り
奇異呼吸
吸気時に胸壁の一部が陥凹するなど、通常と逆の動きをする呼吸。多発肋骨骨折によるフレイルチェストや上気道閉塞(シーソー呼吸)でみられる。
ポイント
  • クスマウル呼吸=深く大きく規則的。代謝性アシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症)の呼吸性代償。
  • 糖尿病性ケトアシドーシスは呼気のアセトン臭、口渇・多尿、著しい脱水、意識障害を伴う。
  • チェーン・ストークス呼吸は「周期性」、ビオー呼吸は「不規則性」が鍵。
  • 奇異呼吸はフレイルチェストや上気道閉塞など、胸郭・気道の機械的問題で生じる。
  • 異常呼吸は深さ・リズム・周期のどれが崩れているかで整理すると鑑別しやすい。
比較表
異常呼吸パターン代表的な病態
クスマウル呼吸深く大きく規則的糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症
チェーン・ストークス呼吸無呼吸→漸増→漸減を周期的に反復重症心不全、脳血管障害
ビオー呼吸深さ・リズムが不規則で突然無呼吸髄膜炎、脳幹(延髄)障害
奇異呼吸胸郭が通常と逆に動くフレイルチェスト、上気道閉塞
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