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理由で解く 柔道整復師

QJ33P029 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問29
問題
体温が最も高い部位はどれか。
選択肢
1 腋窩
2 口腔内
3 前額部
4 直腸内
解答
正解4(直腸内)
解説

体温は身体の中心に近い部位ほど高く安定し、体表に近づくほど外気の影響を受けて低くなります。選択肢のなかで最も深部にあるのは直腸なので、正答は4です。

体温は、脳・心臓・腹部臓器など生命維持に直結する部分の温度である「核心温(中枢温)」と、皮膚や四肢など環境温に左右される「外殻温(外層温)」に分けられます。核心温は視床下部の体温調節中枢によっておよそ37℃前後に保たれ、外気温が変わってもほとんど動きません。直腸温はこの核心温を最もよく反映し、口腔温は腋窩温より約0.4〜0.5℃高く、直腸温は腋窩温より約0.8〜0.9℃高いとされます。したがって高い順に、直腸温>口腔温>腋窩温>皮膚温(前額など)となります。体温には日内変動があり、早朝が最も低く夕方(15〜18時ごろ)が最も高いため、比較する際は測定部位と時刻をそろえることが大切です。

✗ 1. 誤り
腋窩
腋窩は上肢を閉じて皮膚どうしを密着させ、局所を人工的な閉鎖空間にして測る部位です。簡便で日常的に用いられますが、もともと体表であるため核心温より低く出ます。汗を拭かずに測る、挟み方が浅い、測定時間が短いといった条件でさらに低く出やすいので、正しい手順で測ることが必要です。
✗ 2. 誤り
口腔内
舌下に体温計を置いて測る方法で、腋窩より深部に近いぶん高い値を示しますが、直腸温には及びません。直前の飲食・喫煙や、開口したままの呼吸によって値が変動する点にも注意が必要です。
✗ 3. 誤り
前額部
額の皮膚温は外殻温そのもので、外気温・発汗・皮膚血流によって大きく変動し、選択肢のなかでは最も低く不安定になりやすい部位です。非接触型体温計は額の表面温度から核心温を推定して表示しているのであって、額の実測温度が最も高いわけではありません。
✓ 4. 正しい
直腸内
直腸は身体の深部にあり、外気や発汗の影響をほとんど受けません。そのため選択肢のなかで核心温に最も近く、最も高い値を示します。測定値が安定して正確なので、新生児や重症例、低体温療法など厳密な体温管理が要る場面で用いられます。
ポイント
  • 体温は核心温(深部・ほぼ一定)と外殻温(体表・環境で変動)に分かれ、深い部位ほど高い。
  • 高い順に、直腸温 > 口腔温 > 腋窩温 > 皮膚(前額)温。
  • 目安として、直腸温は腋窩温より約0.8〜0.9℃、口腔温は腋窩温より約0.4〜0.5℃高い。
  • 腋窩で測るときは汗を拭き、体温計を腋窩中央に斜め下から当てて上腕をしっかり閉じ、規定時間を守ると誤差が減る。
  • 日内変動は早朝が最低、夕方が最高。経過を追うときは同じ部位・同じ時間帯で比較する。
比較表
測定部位反映する温度相対的な高さ特徴
直腸内核心温最も高い外気の影響を受けず正確。新生児・重症例の体温管理に用いる
口腔内(舌下)核心温に近い直腸より低い飲食・喫煙・開口呼吸の影響を受ける
腋窩準核心温(人工的な閉鎖腔)口腔より低い簡便で最も普及。発汗や測定手技で誤差が出る
前額部(皮膚)外殻温最も低く不安定外気温・発汗・皮膚血流に大きく左右される
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