学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §4 診察各論 打診 / QJ33P028

理由で解く 柔道整復師

QJ33P028 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問28
問題
腸管にガスが貯留しているときの打診音はどれか。
選択肢
1 鼓音
2 清音
3 濁音
4 摩擦音
解答
正解1(鼓音)
解説

ガスは音をよく響かせるため、腸管にガスが貯留している部位を打診すると、太鼓を叩いたような高く響く鼓音が聴かれる。

打診音は、叩いた下の組織にどれだけ空気が含まれているかで決まる。空気が多いほど音は大きく長く響き、空気が少なく密度が高いほど小さく短い音になる。ただし音の高さ(調子)は含気量に単純に比例せず、清音(共鳴音)が最も低調で、含気が極端に多い鼓音と、含気のない濁音はいずれも高調となる点に注意する。腸管ガスや気胸のように空気が非常に多い状態が鼓音、正常肺のように含気組織と軟部組織が混じる状態が清音(共鳴音)、肝臓・心臓や胸水・腹水のように空気を含まない状態が濁音である。「鼓音 → 清音 → 濁音」の順に含気量が減る、と並べて覚えるとよい。

✓ 1. 正しい
鼓音
ガスを含む管腔臓器の上で聴かれる打診音。正常でも胃泡部(トラウベ三角)では鼓音を呈し、腸閉塞で腸管ガスが増えると腹部全体が鼓音となる。腹部膨満に強い腹痛や嘔吐を伴うときは、腸閉塞などを念頭に速やかに医療機関へ紹介する。
✗ 2. 誤り
清音
共鳴音ともいい、正常な肺野で聴かれる打診音。含気組織と軟部組織が混在する状態を示し、よく響く低めの音として聴かれる。
✗ 3. 誤り
濁音
空気を含まない部位の打診音で、小さく高く短い。肝臓・心臓・脾臓や充実性腫瘤、胸水・腹水の貯留部で聴かれる。腹水では体位変換で濁音の範囲が動く(移動性濁音)。
✗ 4. 誤り
摩擦音
そもそも打診音の分類に含まれない。摩擦音は聴診で聴かれる音で、胸膜炎の胸膜摩擦音、心膜炎の心膜摩擦音などがある。
ポイント
  • 打診音は含気量で決まる。空気が多い=鼓音、中等度=清音、空気なし=濁音。
  • 含気量が多いほど音は大きく長く響く。ただし高さは含気量に比例しない(清音が最も低調で、鼓音と濁音はいずれも高調)。
  • 腸管ガス・胃泡部・気胸・腸閉塞では鼓音。
  • 正常肺は清音、肺気腫では過共鳴音(清音より大きく低い)。
  • 肝・心・脾、胸水・腹水、無気肺・肺炎では濁音。腹水は移動性濁音。
  • 摩擦音は打診音ではなく聴診所見。ひっかけとして頻出。
比較表
打診音含気量音の性質聴かれる部位・状態
鼓音非常に多い太鼓のように高く響く(大きく長い)腸管ガス、胃泡部、気胸、腸閉塞
過共鳴音多い清音より大きく低い肺気腫
清音(共鳴音)中等度よく響く低めの音正常な肺野
濁音ほとんどない小さく高く短い肝・心・脾、胸水・腹水、無気肺
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