学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §4 診察各論 打診 / QJ32P028

理由で解く 柔道整復師

QJ32P028 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問28
問題
打診時に清音が聞こえるのはどれか。
選択肢
1
2 心臓
3 肝臓
4
解答
正解1(肺)
解説

打診音は、その下にある組織がどれだけ空気を含むかで決まる。空気を多く含む正常な肺の上では清音(共鳴音)が聞かれるため、正解は1。

打診では、含気量が多いほど音はよく響く(大きく長く続く)。ただし響きの大きさと音の高さは別で、音調は空気の「量」ではなく「入り方」で決まる。肺胞に細かく分散した空気をもつ肺では清音(低く大きい響き)となり、まとまったガスの入った管腔臓器である胃・腸では太鼓を叩いたような鼓音(高く響く)となる。空気を含まない実質臓器(心臓・肝臓)や液体が貯留した部位では音が響かず濁音となる。この対応を押さえておくと臨床所見の意味が読める。たとえば胸水貯留・肺炎・無気肺では清音が濁音に変わり、打診で濁音の境界を追うことで胸水の高さを推定できる。逆に気胸や肺気腫では含気が過剰になり、清音より響きの強い過共鳴音となる。肝臓では上縁を打診で追うことで肝の大きさを推定でき、腹水があれば側腹部が濁音となり体位で移動する(移動性濁音)。

✓ 1. 正しい
肺胞に空気を多く含むため、正常では清音(共鳴音)が聞かれる。左右差や濁音への変化があれば胸水・肺炎・無気肺などを疑い、聴診・画像検査につなげる。
✗ 2. 誤り
心臓
空気を含まない実質臓器なので、その直上では音が響かず絶対的濁音となる。この濁音の範囲(心濁音界)から心拡大を推定する。
✗ 3. 誤り
肝臓
同じく含気のない実質臓器であり濁音となる。右季肋部の濁音範囲を追うことで肝腫大の有無を評価する。
✗ 4. 誤り
ガスを含む管腔臓器なので鼓音となる。含気量が多いから低い音になるのではなく、閉じたガス腔が共鳴するため清音より高い太鼓様の音になる。腹水が貯留すると側腹部が濁音になり、体位変換で濁音域が移動する。
ポイント
  • 打診音の「響きの大きさ」は含気量で決まる。空気が多いほどよく響く
  • 「音の高さ」は含気の入り方で決まる。分散した空気の肺=清音(低く大きい)/閉じたガス腔の胃・腸=鼓音(高く太鼓様)
  • 清音=正常肺/濁音=心臓・肝臓・胸水や腹水/鼓音=胃・腸のガス
  • 清音が濁音に変わる=胸水・肺炎・無気肺を疑う
  • 過共鳴音(清音より響く)=気胸・肺気腫
  • 濁音の範囲を追って心濁音界・肝の大きさ・腹水の有無を推定する
比較表
打診音響き・音調正常でこの音が出る部位異常のときの意味
清音(共鳴音)よく響く・低い(肺胞に分散した空気)濁音化=胸水・肺炎・無気肺
過共鳴音清音よりさらに響く(正常では聞かれない)気胸、肺気腫
鼓音太鼓様で高い(閉じたガス腔の共鳴)胃・腸(ガス)腸閉塞、鼓腸
濁音短く響かない心臓、肝臓範囲拡大=心拡大、肝腫大、腹水
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。