学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §6 診察各論 触診 / QJ34P030

理由で解く 柔道整復師

QJ34P030 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問30
問題
皮膚や皮下の腫瘤の触診で悪性を疑う所見はどれか。
選択肢
1 柔らかい。
2 圧痛がある。
3 可動性がある。
4 表面が不整である。
解答
正解4(表面が不整である。)
解説

悪性腫瘍は周囲へ浸潤しながら不規則に増殖するため、触れると硬く、表面が凸凹(不整)で、可動性に乏しく、痛みを伴わないことが多い。

良性の腫瘤は被膜に包まれて周囲を押しのけるように大きくなるので、表面は滑らかで境界が明瞭、皮下で指の下をよく動く(可動性良好)。これに対し悪性腫瘍は被膜をもたず、周囲の皮下組織や筋膜へ入り込みながら不均一に増殖するため、表面が不整で境界が不明瞭、下床に固定されて動きにくくなる。硬さも増し、進行すれば皮膚の陥凹や潰瘍を伴う。一方、圧痛は炎症(膿瘍・毛嚢炎など)を示す所見で、悪性腫瘍はむしろ無痛性のことが多い。急速に増大する、径がおおむね5cmを超える、深部(筋膜下)にある、といった所見も悪性を疑う手がかりとされる。こうした所見を認めた場合は、施術で経過をみるのではなく、画像や病理での評価ができる医療機関への受診をその場で勧める。

✓ 4. 正しい
表面が不整である。
被膜をもたず周囲へ浸潤しながら不均一に増殖するため、表面が凸凹し境界も不明瞭になる。硬さ・可動性不良とあわせて悪性を疑う代表的な触診所見である。
✗ 1. 誤り
柔らかい。
脂肪腫や粉瘤など良性腫瘤を示唆する所見。悪性腫瘍は線維成分が多く硬いことが多い。
✗ 2. 誤り
圧痛がある。
炎症性病変(膿瘍、感染した粉瘤など)を示す所見。悪性腫瘍は無痛性に増大することが多く、痛みの有無で悪性を判断することはできない。
✗ 3. 誤り
可動性がある。
周囲組織と癒着していないことを示し、良性を示唆する。悪性では下床への浸潤により可動性が乏しくなる。
ポイント
  • 悪性を疑う触診所見=硬い・表面不整・境界不明瞭・可動性不良・無痛性。
  • 良性を示唆する所見=柔らかい・表面平滑・境界明瞭・可動性良好。
  • 圧痛は炎症のサイン。痛みがないことは安心材料にならない。
  • 急速な増大、径が大きい(おおむね5cm超)、筋膜より深部にある腫瘤は精査の対象。
  • 疑わしい所見があれば経過観察にせず、その場で医療機関受診を勧める。
比較表
触診項目良性を示唆悪性を疑う
硬さ柔らかい〜弾性軟硬い(石様硬のことも)
表面平滑不整・凸凹
境界明瞭不明瞭
可動性良好(よく動く)不良(下床に固定)
圧痛炎症があればあり無痛性のことが多い
増大速度緩徐急速
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