学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §5 診察各論 聴診 / QJ34P029

理由で解く 柔道整復師

QJ34P029 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問29
問題
肺胞呼吸音が生ずる部位はどれか。
選択肢
1 声帯
2 気管
3 気管支
4 細気管支
解答
正解4(細気管支)
解説

肺胞呼吸音は、末梢の細気管支を空気が通過するときの乱流によって生じるとされる。肺胞そのものが音を出すわけではない。

呼吸音は気道内の気流が乱れることで発生するため、気流が速く径の変化が大きい部位ほど大きく高い音になる。気管や主気管支では気流が速いので、強く高調で呼気相が長い気管(支)呼吸音が生じ、頸部や胸骨上・肩甲間部で聴かれる。末梢へ進むと気道の総断面積が急増して気流はきわめて遅くなり、肺胞レベルでは音を生じるほどの乱流は起こらない。その少し手前の細気管支付近で生じた柔らかい音が肺胞呼吸音で、胸壁のほとんどの部位で聴かれ、吸気で明瞭・呼気は短く弱いのが特徴である。両者の中間の性質をもつ気管支肺胞呼吸音は、第2・3肋間の胸骨縁や肩甲骨間で聴かれ、吸気相と呼気相がほぼ等しい。本来肺胞呼吸音が聴かれる部位で気管支呼吸音様の音が聴かれる(気管支呼吸音化)ときは、肺炎などによる肺の含気低下・硬化が疑われる。

✓ 4. 正しい
細気管支
末梢気道であるこの部位の気流の乱れが肺胞呼吸音の発生源とされる。柔らかく低調で、吸気に比べ呼気が短く弱い音として胸壁の広い範囲で聴取される。
✗ 1. 誤り
声帯
発声にかかわる構造で、呼吸音の発生源ではない。声帯周囲の狭窄では吸気性の喘鳴(ストライダー)という別の異常音が生じる。
✗ 2. 誤り
気管
ここで生じるのは気管呼吸音で、強く高調で呼気相が長い。頸部で聴かれる音であり、肺胞呼吸音とは性質が異なる。
✗ 3. 誤り
気管支
太い気管支で生じるのは気管支呼吸音で、胸骨上部や肩甲間部で聴かれ、呼気相が吸気相より長い。末梢肺野でこの音が聴かれる場合は肺の硬化などの異常を示唆する。
ポイント
  • 呼吸音は気道内の気流の乱れで生じる。気流が速い中枢ほど強く高調になる。
  • 肺胞呼吸音の発生源は細気管支付近。肺胞そのものでは音は生じない。
  • 肺胞呼吸音は吸気で明瞭、呼気は短く弱い(吸気>呼気)。気管・気管支呼吸音は高調で呼気相が長い(吸気<呼気)。
  • 吸気相≒呼気相となるのは中間型の気管支肺胞呼吸音(第2・3肋間胸骨縁、肩甲骨間で聴取)。
  • 末梢肺野で気管支呼吸音様に聴こえる(気管支呼吸音化)=肺炎などの含気低下を示唆。呼吸音の減弱は気胸・胸水・肺気腫、消失は無気肺・大量の気胸などで生じる。
比較表
呼吸音発生部位聴取部位音の性質
気管呼吸音気管頸部(気管上)強く高調、吸気<呼気(呼気相が長い)
気管支呼吸音太い気管支胸骨上部、肩甲間部やや高調、吸気<呼気(呼気相が長い)
気管支肺胞呼吸音太い気管支〜末梢への移行部第2・3肋間の胸骨縁、肩甲骨間中等度の高さ、吸気≒呼気
肺胞呼吸音細気管支付近胸壁の大部分(末梢肺野)柔らかく低調、吸気>呼気
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