学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ34P028
理由で解く 柔道整復師
脛骨神経は下腿後面の底屈筋群を支配する。麻痺すると足関節を底屈できず、拮抗する背屈筋が優位となって足が背屈位に固定される踵足(しょうそく)になる。
脛骨神経は坐骨神経から分かれて膝窩を通り、ヒラメ筋腱弓の下から下腿後面に入って下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋を支配し、内果の後ろの足根管を通って足底の内在筋と足底の皮膚感覚を担う。麻痺するとまず足関節の底屈と足趾の屈曲ができなくなり、つま先立ちが不能となって、歩行では踵で接地したまま蹴り出せない。後脛骨筋も麻痺するので内がえしは弱くなるが、内がえしには深腓骨神経支配の前脛骨筋も働くため完全に失われるわけではなく筋力低下にとどまる。一方で背屈筋群は保たれて相対的に優位となり、足は背屈位へ引かれる。これが踵足である。なお足底の内在筋(虫様筋・骨間筋)も麻痺するため鉤爪趾(claw toe)を伴うことがあるが、これは踵足の別名ではなく、足趾に併存して現れる別の変形である。足底の感覚も鈍るため靴ずれ・胼胝・潰瘍に気づきにくく、足底と履物を毎日点検すること、必要なら装具について主治医に相談することを患者に具体的に伝えたい。対比として総腓骨神経麻痺では背屈ができずに尖足(下垂足)となり鶏歩を呈する。「底屈できない=踵足」「背屈できない=尖足」と、失われた動きの反対側が勝つと考えると取り違えにくい。
| 障害される神経 | できなくなる動き | 生じる変形・歩行 | 感覚障害の部位 |
|---|---|---|---|
| 脛骨神経 | 足関節の底屈、足趾の屈曲(内がえしは低下) | 踵足(つま先立ち不能)、鉤爪趾を伴うことがある | 足底 |
| 総腓骨神経(深枝+浅枝) | 足関節の背屈、足の外がえし | 尖足(下垂足)、鶏歩 | 下腿外側〜足背 |
| 深腓骨神経 | 足関節・足趾の背屈 | 下垂足 | 第1・2趾間背側 |
| 浅腓骨神経 | 足の外がえし | 内反傾向 | 下腿外側〜足背 |
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