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理由で解く 柔道整復師

QJ34P027 一般臨床医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問27
問題
進行性筋ジストロフィーでみられるのはどれか。
選択肢
1 突進歩行
2 アヒル歩行
3 間欠性跛行
4 失調性歩行
解答
正解2(アヒル歩行)
解説

進行性筋ジストロフィーでは骨盤帯(特に中殿筋)の筋力が落ち、体幹を左右に振りながら歩くアヒル歩行(動揺性歩行)を示す。

進行性筋ジストロフィーは筋線維そのものが変性・壊死していく遺伝性疾患で、デュシェンヌ型では体幹に近い近位筋から侵される。片脚立ちのときに骨盤を水平に保つのは支持側の中殿筋の役割なので、ここが弱ると遊脚側の骨盤が下がり(トレンデレンブルグ徴候)、代償として体幹を支持脚側へ傾ける。左右交互にこれが起こるため、体が左右に揺れるアヒルのような歩き方になる。同じ機序で、床から立ち上がるときに自分の膝や大腿に手をついてよじ登るように立つ登攀性起立(ガワーズ徴候)もみられ、下腿三頭筋の仮性肥大(脂肪・線維組織による見かけの太さ)も特徴とされる。転倒しやすい状態なので、環境整備と転倒予防を含めた関わりが必要になる。

✓ 2. 正しい
アヒル歩行
中殿筋を含む骨盤帯筋の筋力低下により、立脚側へ体幹を傾ける代償が左右交互に起こって体が動揺する。動揺性歩行ともいい、筋ジストロフィーのほか両側の中殿筋麻痺や両側先天性股関節脱臼でもみられる。
✗ 1. 誤り
突進歩行
前傾姿勢のまま歩幅が小さく速くなり止まれなくなる歩行で、パーキンソン病など錐体外路系の障害でみられる。筋そのものの病気ではない。
✗ 3. 誤り
間欠性跛行
一定距離を歩くと下肢の痛みやしびれで歩けなくなり、休むとまた歩ける状態。閉塞性動脈硬化症(血流不足)や腰部脊柱管狭窄症(神経の圧迫)で生じる。
✗ 4. 誤り
失調性歩行
両脚を大きく開き、方向が定まらずふらつく歩行。小脳障害や脊髄後索障害(深部感覚障害)でみられ、後者では閉眼でさらに悪化する。
ポイント
  • アヒル歩行(動揺性歩行)=両側の中殿筋機能低下で体幹が左右に揺れる歩行。
  • 進行性筋ジストロフィーは近位筋優位に侵され、登攀性起立(ガワーズ徴候)と下腿三頭筋の仮性肥大が特徴。
  • 片脚立位で遊脚側の骨盤が下がるのがトレンデレンブルグ徴候。中殿筋の評価に使う。
  • 歩行異常は「どの系が壊れたか」で整理する(筋・錐体路・錐体外路・小脳・後索・血管)。
  • 転倒リスクが高いため、環境整備と安全な移動方法の助言を併せて行う。
比較表
歩行の型代表的な病態成り立ち
アヒル歩行(動揺性歩行)進行性筋ジストロフィー、両側中殿筋麻痺骨盤を支えられず体幹を左右へ振って代償
突進歩行・小刻み歩行パーキンソン病錐体外路障害による姿勢反射障害と無動
間欠性跛行閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症歩行で虚血または神経圧迫が増悪し休息で回復
失調性歩行小脳障害、脊髄後索障害協調運動や深部感覚のフィードバック障害
痙性歩行(はさみ足)脳性麻痺、脊髄損傷錐体路障害による下肢の痙縮
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