学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §7 診察各論 生命徴候 / QJ24P029

理由で解く 柔道整復師

QJ24P029 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問29
問題
異常な呼吸と疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 チェーン・ストークス呼吸-気管支喘息
2 クスマウル呼吸-過換気症候群
3 起坐呼吸-うっ血性心不全
4 ビオー呼吸-糖尿病性アシドーシス
解答
正解3(起坐呼吸-うっ血性心不全)
解説

正しい組合せは「起坐呼吸 ― うっ血性心不全」。臥位で肺うっ血が強まるため、上体を起こすと呼吸が楽になる。

臥位になると下肢や腹部にたまっていた血液が胸腔内へ戻り、静脈還流が増えて肺毛細血管圧が上がる。左心不全ではこれが肺うっ血・肺水腫を悪化させるため、患者は自然に上体を起こして還流を減らし、同時に横隔膜を下げて換気を確保する。これが起坐呼吸で、夜間に突然目覚める発作性夜間呼吸困難も同じ機序である。異常呼吸のパターンは「どこが壊れているか」で整理すると覚えやすい。呼吸中枢の反応遅れ=チェーン・ストークス呼吸、代謝性アシドーシスの代償=クスマウル呼吸、延髄付近の障害=ビオー呼吸である。なお各選択肢の「一ー」「-」「ー」はいずれも組合せを示す区切り記号で、原資料の表記どおり掲げている。

✓ 3. 正しい
起坐呼吸-うっ血性心不全
臥位で静脈還流が増えて肺うっ血が悪化し、坐位で軽減する。うっ血性心不全(左心不全)の代表的な症状であり、これが本問の答え。
✗ 1. 誤り
チェーン・ストークス呼吸-気管支喘息
チェーン・ストークス呼吸は、無呼吸と漸増漸減する過呼吸を周期的に繰り返す呼吸で、重症心不全・脳血管障害・尿毒症などでみられる。気管支喘息の特徴は呼気延長と喘鳴であり、組合せが合わない。
✗ 2. 誤り
クスマウル呼吸-過換気症候群
クスマウル呼吸は深く大きい呼吸が規則的に続くもので、糖尿病性ケトアシドーシスなど代謝性アシドーシスの呼吸性代償として現れる。過換気症候群は速く浅い呼吸で呼吸性アルカローシスに傾くため、組合せが合わない。
✗ 4. 誤り
ビオー呼吸-糖尿病性アシドーシス
ビオー呼吸は深さも周期も不規則な呼吸と無呼吸が突然入れ替わるもので、髄膜炎や頭蓋内圧亢進など延髄付近の障害を示す。糖尿病性アシドーシスで典型的なのはクスマウル呼吸である。
ポイント
  • 起坐呼吸=臥位で肺うっ血が悪化。うっ血性心不全(左心不全)の代表症状
  • 発作性夜間呼吸困難も同じ機序で起こる
  • チェーン・ストークス呼吸=周期的な漸増漸減+無呼吸。重症心不全・脳血管障害・尿毒症
  • クスマウル呼吸=深く大きい規則的呼吸。糖尿病性ケトアシドーシスなど代謝性アシドーシス
  • ビオー呼吸=不規則な呼吸と無呼吸が突然交代。髄膜炎・頭蓋内圧亢進
比較表
異常呼吸パターン代表疾患
起坐呼吸坐位で軽減する呼吸困難うっ血性心不全、気管支喘息発作
チェーン・ストークス呼吸漸増漸減+無呼吸を周期的に反復重症心不全、脳血管障害、尿毒症
クスマウル呼吸深く大きい規則的な呼吸糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症
ビオー呼吸不規則な呼吸と無呼吸が突然交代髄膜炎、頭蓋内圧亢進
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