学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §2 リハビリテーション医学の対象 / QJ34P021

理由で解く 柔道整復師

QJ34P021 リハビリテーション医学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問21
問題
パーキンソン(Parkinson)病の症状でないのはどれか。
選択肢
1 寡動
2 筋固縮
3 酩酊歩行
4 姿勢反射障害
解答
正解3(酩酊歩行)
解説

酩酊歩行は小脳性運動失調でみられる歩き方で、パーキンソン病の症状ではありません。よって3が答えです。

パーキンソン病は中脳黒質緻密部のドパミン神経が変性し、線条体のドパミンが不足して起こる神経変性疾患です。4大徴候は安静時振戦・筋固縮(強剛)・無動/寡動・姿勢反射障害で、進行すると前傾前屈姿勢、小刻み歩行、すくみ足、方向転換の拙劣さ、突進現象といった特徴的な歩行障害が加わります。重症度はHoehn-Yahrの5段階で表され、姿勢反射障害が現れるステージIII以降で転倒が大きな問題になります。一方の酩酊歩行(失調性歩行)は、両足を大きく開いて左右にふらつきながら歩く様子が酒に酔った人に似ていることからこの名があり、小脳や脊髄後索の障害で生じます。歩幅が狭くすり足で加速していくのがパーキンソン病、足を広げて左右にふらつくのが失調、という見え方の違いで整理すると混同しません。

✓ 3. パーキンソン病の症状ではない(これが答え)
酩酊歩行
酩酊歩行は小脳性運動失調(あるいは脊髄後索障害)に特徴的な歩行で、支持基底面を広げるため足を大きく開き、体幹が左右に動揺します。パーキンソン病の歩行は逆に歩隔・歩幅ともに狭く、すり足で前傾していくのが典型です。
✗ 1. パーキンソン病の症状(答えではない)
寡動
4大徴候の1つです。動作の開始が遅れ、動きが小さく少なくなる状態で、表情が乏しくなる仮面様顔貌、声が小さくなる、字が次第に小さくなる小字症として現れます。
✗ 2. パーキンソン病の症状(答えではない)
筋固縮
4大徴候の1つです。他動的に動かすと全可動域で一様な抵抗があり、鉛管様固縮や歯車様固縮として触知されます。動かす速度に依存する痙縮(折りたたみナイフ現象)とは別の性質です。
✗ 4. パーキンソン病の症状(答えではない)
姿勢反射障害
4大徴候の1つです。立ち直り反応が損なわれ、後方や前方へ押されると立て直せずに倒れてしまいます。Hoehn-YahrのステージIII以降で出現し、転倒予防と環境整備が課題になります。
ポイント
  • パーキンソン病の4大徴候は安静時振戦・筋固縮・無動/寡動・姿勢反射障害。黒質のドパミン神経変性が原因。
  • 歩行の特徴は前傾前屈姿勢、小刻み歩行、すくみ足、突進現象。歩幅も歩隔も狭くなる。
  • 酩酊歩行(失調性歩行)は小脳障害や脊髄後索障害の歩行で、足を広げて左右にふらつく。
  • 重症度はHoehn-Yahr I〜V。姿勢反射障害が出るIII以降で転倒リスクが跳ね上がる。
  • 訓練では視覚・聴覚の合図(床の目印、号令、メトロノーム)を使うとすくみ足や小刻み歩行が改善しやすい。
比較表
歩行の型主な原因部位・疾患見え方
小刻み歩行・すくみ足・突進歩行大脳基底核(パーキンソン病)前傾姿勢で歩幅が狭くすり足。第一歩が出ず、歩き出すと止まれない
酩酊歩行(失調性歩行)小脳、脊髄後索足を大きく開いて左右にふらつく。後索性では閉眼で悪化(ロンベルグ徴候陽性)
痙性歩行(分回し歩行)上位運動ニューロン障害(脳卒中片麻痺)下肢を外側に回して振り出し、つま先が引っかかる
鶏歩総腓骨神経麻痺(下垂足)膝を高く上げ、つま先から接地する
動揺性歩行筋ジストロフィー、中殿筋麻痺骨盤が左右に大きく揺れる
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