学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §2 リハビリテーション医学の対象 / QJ32P013

理由で解く 柔道整復師

QJ32P013 リハビリテーション医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問13
問題
ICFで正しいのはどれか。
選択肢
1 対象範囲を障害者としている。
2 身体構造とは身体の生理的機能を示す。
3 個人因子の中に物理社会的状況が含まれる。
4 活動とは個人による課題や行為の遂行を示す。
解答
正解4(活動とは個人による課題や行為の遂行を示す。)
解説

ICFは「障害」ではなく「生活機能」を分類する枠組みで、対象は障害の有無を問わないすべての人です。選択肢4はICFにおける「活動」の定義そのものにあたります。

ICF(国際生活機能分類)は2001年にWHOが採択した分類です。前身のICIDH(1980年)が「機能障害→能力低下→社会的不利」と障害を一方向にたどるマイナス志向の分類だったのに対し、ICFは「心身機能・身体構造」「活動」「参加」という3つの生活機能を軸に置き、それらが健康状態および背景因子(環境因子・個人因子)と相互に影響し合う双方向モデルへ組み替えられました。生活機能の3レベルは、身体レベル=心身機能・身体構造、個人レベル=活動、社会レベル=参加、と階層で覚えると選択肢を素早く切れます。また活動と参加は「実行状況(している活動)」と「能力(できる活動)」の2つの評価点で記述するのも特徴です。

✗ 1. 誤り
対象範囲を障害者としている。
ICFは障害の有無にかかわらず、すべての人の健康状態と生活機能を記述できる普遍的な分類です。障害者を対象の中心に据えていたのは前身のICIDHであり、この転換こそがICFの最大の変更点です。「誰でも病気やけがをすれば生活機能は下がる」ととらえるため、対象を限定しません。
✗ 2. 誤り
身体構造とは身体の生理的機能を示す。
用語が入れ替わっています。身体構造とは器官・肢体とその構成部分といった身体の解剖学的部分を指し、生理的機能(心理的機能を含む)を指すのは「心身機能」です。構造=かたち、機能=はたらき、と対で覚えると迷いません。
✗ 3. 誤り
個人因子の中に物理社会的状況が含まれる。
物的な環境、人的な支援、制度やサービス、周囲の人の態度といった外側の状況は「環境因子」に分類されます。個人因子はその人固有の内側の背景で、年齢・性別・生活歴・職歴・価値観・ライフスタイルなどが該当します。外=環境因子、内=個人因子と線を引いて整理してください。
✓ 4. 正しい
活動とは個人による課題や行為の遂行を示す。
ICFの定義どおりです。歩く、食べる、着替える、字を書くなど、個人が行う課題や行為の遂行が「活動」にあたります。これに対して「参加」は生活・人生場面へのかかわり(就労、家庭内での役割、地域活動など)を指します。個人が行う単位か、社会とかかわる単位かで両者を区別してください。
ポイント
  • ICFは2001年WHO採択。対象はすべての人(ICIDHは障害者中心・マイナス志向)
  • 生活機能=心身機能・身体構造(身体レベル)+活動(個人レベル)+参加(社会レベル)
  • 背景因子=環境因子(外:物的・人的・制度・態度)+個人因子(内:年齢・性別・価値観)
  • 心身機能=生理的・心理的なはたらき/身体構造=解剖学的な部分。入れ替え出題が定番
  • 活動・参加は「実行状況(している)」と「能力(できる)」の2つの評価点で記述する
比較表
構成要素区分内容具体例
心身機能生活機能身体系の生理的機能・心理的機能関節可動域、筋力、記憶、視覚
身体構造生活機能器官・肢体とその構成部分(解剖学的部分)四肢、関節、脳、皮膚
活動生活機能個人による課題や行為の遂行歩行、更衣、食事、入浴
参加生活機能生活・人生場面へのかかわり就労、家事役割、地域活動
環境因子背景因子外的な物的・人的・社会的状況手すり、介助者、制度、周囲の態度
個人因子背景因子その人固有の内的背景年齢、性別、生活歴、価値観
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