学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §3 リハビリテーション医学の基礎医学 / QJ34P016
理由で解く 柔道整復師
否認は、受け入れがたい現実そのものを「無かったこと」にして不安から自我を守る防衛機制です。現実的状況を無意識的に認めまいとする2が該当します。
防衛機制は、耐えがたい不安に自我が押し潰されないように無意識に働く心のはたらきで、S.フロイト(ジークムント・フロイト)が概念を提唱し、娘のA.フロイト(アンナ・フロイト)が『自我と防衛機制』(1936年)で否認・抑圧・反動形成・退行などを分類・体系化しました。リハビリテーションの現場では障害受容の過程で顕著に現れ、一般にショック期→否認期→混乱期(怒り・悲嘆)→解決への努力期→受容期という経過をたどります。否認期には「検査が間違っている」「すぐ元どおりになる」といった言葉が聞かれますが、これは脳損傷そのもので自分の障害に気づけない病態失認(病識の欠如)とは別物です。否認は、認めた瞬間に心が壊れてしまわないよう時間を稼ぐ働きをもつため、頭ごなしに現実を突きつけるやり方はかえって混乱を長引かせます。安全な関係を保ちながら本人のペースに合わせ、達成できる課題で成功体験を重ね、必要な情報を段階的に伝えていくのが実際的な関わり方です。
| 防衛機制 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 否認 | 受け入れがたい外界の現実を認めない | 後遺症を告げられても「すぐ元に戻る」と信じる |
| 抑圧 | 受け入れがたい衝動や記憶を意識から締め出す | つらい出来事を思い出せない |
| 反動形成 | 本心と正反対の態度をとる | 嫌いな相手にことさら丁寧に接する |
| 退行 | 以前の発達段階に戻る | 入院後に依存的・幼児的になる |
| 合理化 | もっともらしい理由をつけて正当化する | 「どうせやりたくなかった」 |
| 投影 | 自分の感情を相手のものとみなす | 「あの人が私を嫌っている」 |
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