学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ34A103

理由で解く 柔道整復師

QJ34A103 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問103
問題
胃液の分泌を抑制するのはどれか。
選択肢
1 アセチルコリン
2 ガストリン
3 セクレチン
4 ヒスタミン
解答
正解3(セクレチン)
解説

胃酸分泌を促進するのはアセチルコリン・ガストリン・ヒスタミンの3つ。抑制側に回るのは十二指腸から分泌されるセクレチンで、正答は3です。

胃液(塩酸)は壁細胞のプロトンポンプ(H⁺/K⁺-ATPase)から分泌され、その働きは3つの促進因子で高まります。迷走神経終末から出るアセチルコリン(M₃受容体)、幽門前庭部G細胞から出るガストリン(CCK-B受容体)、ECL細胞から出るヒスタミン(H₂受容体)で、これらは互いに増強し合います。一方、酸性の胃内容が十二指腸へ送られると、十二指腸粘膜のS細胞からセクレチンが分泌され、膵臓に重炭酸イオンを出させて腸内容を中和すると同時に、ガストリン分泌と胃酸分泌にブレーキをかけます(腸相の抑制)。脂肪の流入で出るコレシストキニン(CCK)やGIPも胃の運動・分泌を抑えます。「下流(十二指腸)から出るホルモンは上流(胃)にブレーキをかける」という流れで理解すると、暗記に頼らず判断できます。

✓ 3. 正しい
セクレチン
十二指腸に酸が流入した刺激でS細胞から分泌されます。膵臓からの重炭酸分泌を促して腸内容を中和し、あわせてガストリン分泌と胃酸分泌を抑制します。選択肢中で唯一の抑制因子です。
✗ 1. 誤り
アセチルコリン
迷走神経(副交感神経)から放出され、壁細胞のM₃受容体に直接作用するほか、G細胞やECL細胞を介して間接的にも酸分泌を促進します。食物を見る・匂うだけで胃液が出る脳相の主役です。
✗ 2. 誤り
ガストリン
幽門前庭部のG細胞から分泌される代表的な促進因子で、壁細胞の塩酸分泌とECL細胞のヒスタミン放出を促します。胃内pHが下がるとD細胞のソマトスタチンを介して分泌が抑えられる、負のフィードバックを持ちます。
✗ 4. 誤り
ヒスタミン
ECL細胞から放出され、壁細胞のH₂受容体を介して酸分泌を強力に促進します。H₂受容体拮抗薬が胃酸を抑えられるのは、この促進経路を遮断するためです。
ポイント
  • 胃酸分泌の促進3因子=アセチルコリン(M₃)・ガストリン(CCK-B)・ヒスタミン(H₂)。壁細胞のH⁺/K⁺-ATPaseを動かす。
  • 抑制因子=セクレチン、CCK、GIP、ソマトスタチン、プロスタグランジン。いずれも十二指腸や粘膜局所から出る。
  • セクレチンの刺激因子は「十二指腸内の酸」。膵重炭酸分泌を促して中和し、胃にはブレーキをかける。
  • 胃液分泌の3相=脳相(迷走神経)・胃相(ガストリン、胃壁伸展)・腸相(前半は軽度促進、後半はセクレチン等で抑制)。
  • 迷った時は「消化管の下流から出るホルモンは上流を抑える」で方向を判断する。
比較表
作用因子産生部位受容体・仕組み
促進アセチルコリン迷走神経終末壁細胞M₃受容体(脳相の主役)
促進ガストリン幽門前庭部G細胞CCK-B受容体、ヒスタミン放出も促す
促進ヒスタミンECL細胞壁細胞H₂受容体(最も強力)
抑制セクレチン十二指腸S細胞酸刺激で分泌/膵HCO₃⁻分泌↑・ガストリン↓
抑制コレシストキニン(CCK)十二指腸I細胞脂肪・蛋白刺激/胆嚢収縮、胃排出を遅らせる
抑制ソマトスタチン胃・膵D細胞ガストリン・酸分泌を局所で抑える
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