学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ34A102

理由で解く 柔道整復師

QJ34A102 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問102
問題
唾液に含まれる消化酵素はどれか。
選択肢
1 アミラーゼ
2 キモトリプシン
3 ペプシン
4 リパーゼ
解答
正解1(アミラーゼ)
解説

唾液に含まれる消化酵素は唾液アミラーゼ(プチアリン)で、デンプンを分解します。正答は1です。

唾液は耳下腺・顎下腺・舌下腺を中心に1日およそ1〜1.5L分泌され、潤滑・洗浄・殺菌・味物質の溶解など多くの働きを担います。そのなかで消化酵素として含まれるのがα-アミラーゼ(プチアリン)で、デンプンのα-1,4結合を切ってデキストリンやマルトースまで分解します。口腔内に食物がある時間は短いのですが、食塊が胃に入っても中心部が胃酸で酸性化するまでの間は作用が続きます。唾液にはほかにリゾチーム(殺菌)・ムチン(潤滑)・分泌型IgA(免疫)も含まれますが、これらは消化酵素ではありません。蛋白分解酵素(ペプシン・トリプシン・キモトリプシン)も脂肪分解酵素(リパーゼ)も唾液には含まれず、それぞれ胃液・膵液の酵素です。「酵素はどの消化液から出るか」を分泌部位とセットで整理することが、この形式の設問を確実に取るコツです。

✓ 1. 正しい
アミラーゼ
唾液腺から分泌されるα-アミラーゼ(プチアリン)が、デンプンをデキストリン・マルトースへ分解します。同じアミラーゼは膵液にも含まれ、糖質消化の主役として引き継がれます。
✗ 2. 誤り
キモトリプシン
膵液に含まれる蛋白分解酵素で、唾液には含まれません。不活性なキモトリプシノーゲンとして分泌され、十二指腸内でトリプシンによって活性化されます。
✗ 3. 誤り
ペプシン
胃液の蛋白分解酵素で、唾液には含まれません。胃底腺の主細胞からペプシノーゲンとして分泌され、壁細胞由来の塩酸によって活性化されます。至適pHは約2で、酸性環境でこそ働きます。
✗ 4. 誤り
リパーゼ
脂肪(中性脂肪)を分解する酵素であり、唾液には含まれません。膵臓から膵液中に分泌される膵リパーゼが本体で、胆汁酸による乳化を受けた脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解します。リパーゼは膵液の酵素、と分泌部位ごと押さえてください。
ポイント
  • 唾液の消化酵素=α-アミラーゼ(プチアリン)のみ。基質はデンプン、産物はデキストリンとマルトース。
  • 胃液=ペプシン(主細胞からペプシノーゲン→塩酸で活性化、至適pH約2)。
  • 膵液=トリプシン・キモトリプシン(蛋白)、膵アミラーゼ(糖質)、膵リパーゼ(脂肪)と、三大栄養素すべてを担当。
  • リパーゼは膵液の酵素。脂肪消化は「胆汁酸で乳化→膵リパーゼで分解」の順で進む。
  • 唾液のリゾチーム・ムチン・IgAは消化酵素ではない(殺菌・潤滑・免疫)。
  • 糖質消化はアミラーゼで二糖まで→小腸の膜消化酵素で単糖まで、の2段構え。
比較表
消化液主な酵素基質備考
唾液α-アミラーゼ(プチアリン)デンプン唾液の消化酵素はこれのみ。至適pHは中性付近
胃液ペプシン蛋白質ペプシノーゲン+塩酸で活性化、至適pH約2
膵液トリプシン/キモトリプシン蛋白質前駆体で分泌、腸液のエンテロキナーゼが起点
膵液膵アミラーゼデンプン糖質消化の主役
膵液膵リパーゼ中性脂肪胆汁酸の乳化を受けて働く。唾液には含まれない
小腸(膜消化)マルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ二糖類単糖にして吸収
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