学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ34A104

理由で解く 柔道整復師

QJ34A104 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問104
問題
熱放散でないのはどれか。
選択肢
1 蒸発
2 伝導
3 輻射
4 ふるえ
解答
正解4(ふるえ)
解説

熱放散の経路は輻射・伝導・対流・蒸発の4つです。ふるえはこれらとは逆に熱を「作る」働きなので、熱放散でないものは4となります。

体温は熱産生と熱放散のバランスで決まります。熱放散の物理的経路は、輻射(赤外線として周囲へ放出)、伝導(接触した物体へ直接熱が移る)、対流(体表の空気や水が動いて熱を運び去る)、蒸発(発汗と不感蒸泄で気化熱が奪われる)の4つです。暑熱環境や運動時には皮膚血管が拡張し発汗が増えて放散が高まり、気温が体温を上回る環境では蒸発だけが有効な放散手段になります。反対に寒冷時は、皮膚血管を収縮させて放散を減らしたうえで、ふるえ熱産生(骨格筋の不随意な律動的収縮)と非ふるえ熱産生(褐色脂肪組織、甲状腺ホルモンやカテコールアミンによる代謝亢進)で熱を作ります。ふるえは筋の収縮が外的仕事にほとんど変わらず、そのエネルギーが熱になるため効率よく体温を上げられるのです。この設問は「熱放散でないもの」を選ぶ形式なので、残り3つが同じ仲間(放散経路)でまとまっているかを確認してから、仲間外れを選ぶ手順が確実です。

✓ 4. これが答え(熱放散ではない)
ふるえ
寒冷時に視床下部の体温調節中枢からの指令で骨格筋が不随意にリズミカルに収縮する現象です。外的仕事にならず熱に変換されるため、体温を上げる熱産生の手段であり、熱を逃がす経路ではありません。したがってこれが設問の答えになります。
✗ 1. 答えではない(熱放散である)
蒸発
汗の気化と不感蒸泄(皮膚・呼気からの水分喪失)によって気化熱が奪われる、れっきとした熱放散経路です。気温が体温より高い環境では、これだけが有効な放散手段になります。
✗ 2. 答えではない(熱放散である)
伝導
接触した固体や液体へ熱が直接移動する経路です。冷たい床や水に触れると急速に体温が奪われるのはこの働きによります。
✗ 3. 答えではない(熱放散である)
輻射
体表から赤外線(電磁波)として熱を放出する経路で、接触や空気の流れを必要としません。安静時の常温環境では熱放散のなかで最も大きな割合を占めます。
ポイント
  • 熱放散の4経路=輻射・伝導・対流・蒸発。この問では対流が選択肢に出ていないだけで、4つセットで覚える。
  • 熱産生=基礎代謝、骨格筋の運動、ふるえ熱産生、非ふるえ熱産生(褐色脂肪組織・甲状腺ホルモン・カテコールアミン)、食事誘発性熱産生。
  • ふるえは骨格筋の不随意収縮で、エネルギーが外的仕事にならず熱になるため熱産生に分類される。
  • 気温>体温の環境では、輻射・伝導・対流が使えず蒸発(発汗)だけが放散に働く。高温多湿では蒸発も妨げられるため熱中症リスクが上がる。
  • 体温調節中枢は視床下部(視索前野・前視床下部)。寒冷時は皮膚血管収縮+ふるえ、暑熱時は皮膚血管拡張+発汗。
  • 否定形の設問は、まず「残り3つに共通するグループ」を見つけてから仲間外れを選ぶ。
比較表
区分手段仕組み
熱放散輻射赤外線として周囲へ放出。安静・常温では最大の割合
熱放散伝導接触した物体へ熱が直接移動
熱放散対流体表の空気・水が動いて熱を運び去る
熱放散蒸発発汗と不感蒸泄の気化熱。高温環境では唯一の手段
熱産生ふるえ骨格筋の不随意な律動的収縮(本問の答え)
熱産生非ふるえ熱産生褐色脂肪組織、甲状腺ホルモン・カテコールアミンによる代謝亢進
熱産生基礎代謝・運動・食事誘発性熱産生細胞代謝や筋活動に伴う産熱
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