学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §8 尿の生成と排泄 / QJ24A072

理由で解く 柔道整復師

QJ24A072 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問72
問題
腎臓でナトリウムイオンの再吸収を促進するのはどれか。
選択肢
1 オキシトシン
2 バソプレッシン
3 アルドステロン
4 心房性ナトリウム利尿ペプチド
解答
正解3(アルドステロン)
解説

腎でのNa+再吸収を促進するのはアルドステロンである。副腎皮質の球状帯から分泌され、遠位尿細管後半から集合管に作用する。

糸球体で濾過されたNa+の大半は近位尿細管とヘンレ係蹄で再吸収され、最終的な微調整を担うのが遠位尿細管〜集合管である。アルドステロンは集合管の主細胞で上皮性Na+チャネル(ENaC)と基底側のNa+/K+-ATPアーゼを増やし、Na+を体内に引き戻すと同時にK+とH+を尿中へ捨てる。Na+が戻れば浸透圧に引かれて水も保持されるため、循環血液量と血圧が上がる。この一連はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)として、血圧低下や循環血液量減少をきっかけに作動する。ホルモンの設問は「どこから出て・どこに働き・何を増減させるか」の3点を必ず口に出して確認すると、似た名前に惑わされない。

✓ 3. 正しい
アルドステロン
副腎皮質球状帯から分泌される電解質コルチコイドで、遠位尿細管〜集合管でNa+再吸収を促進し、代わりにK+・H+の排泄を進める。RAA系の最終産物として、体液量と血圧を上げる方向に働くと理解しておく。
✗ 1. 誤り
オキシトシン
下垂体後葉から分泌され、分娩時の子宮平滑筋収縮と、乳腺の筋上皮細胞を収縮させる射乳反射を担う。腎尿細管でNa+を動かすホルモンではない。後葉ホルモンという括りでバソプレッシンと対にして整理しておくと混同しない。
✗ 2. 誤り
バソプレッシン
同じく下垂体後葉から分泌され、集合管の管腔側にアクアポリン2を挿入して水の再吸収を高める(抗利尿ホルモン)。動かす主役は水であってNa+ではない。血漿浸透圧の上昇や循環血液量の減少で分泌が増える。
✗ 4. 誤り
心房性ナトリウム利尿ペプチド
心房が血液で伸展されると心房筋から分泌され、名前のとおりNa+と水の排泄(ナトリウム利尿)を促す。レニンやアルドステロンの分泌も抑えるため、アルドステロンとは正反対の働きをする対の存在として覚える。
ポイント
  • アルドステロン=副腎皮質球状帯。遠位尿細管〜集合管でNa+再吸収↑、K+・H+排泄↑。
  • Na+が戻れば水も戻る → 循環血液量↑・血圧↑。
  • RAA系:血圧低下→レニン→アンジオテンシンII→アルドステロン。
  • バソプレッシンは「水」(アクアポリン2)、アルドステロンは「Na+」と役割を分けて覚える。
  • 心房性ナトリウム利尿ペプチドは心房伸展で分泌され、Na+排泄↑。アルドステロンの逆向き。
比較表
ホルモン分泌部位主な標的Na+・水への作用
アルドステロン副腎皮質球状帯遠位尿細管〜集合管Na+再吸収↑(K+排泄↑)
バソプレッシン下垂体後葉集合管水の再吸収↑(抗利尿)
心房性ナトリウム利尿ペプチド心房筋腎・血管Na+と水の排泄↑
オキシトシン下垂体後葉子宮平滑筋・乳腺筋上皮腎での作用は担わない
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