学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ34A093

理由で解く 柔道整復師

QJ34A093 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問93
問題
血液凝固で外因系の起点となるのはどれか。
選択肢
1 血小板
2 トロンビン
3 プラスミン
4 組織トロンボプラスチン
解答
正解4(組織トロンボプラスチン)
解説

外因系凝固は、組織の損傷によって現れる組織因子(組織トロンボプラスチン、第III因子)が引き金となる。よって選択肢4が正解である。

血液凝固は、開始のきっかけが異なる二つの経路から始まり、途中で一本にまとまる。外因系は、血管外の組織が傷ついて組織因子(組織トロンボプラスチン)が血液と接触することで始まり、第VII因子を活性化する。血液の外にある物質が起点になるので「外因系」とよばれ、開始から数秒程度と反応が速い。内因系は、血液中の第XII因子が異物面(コラーゲンなど)に接触することから始まり、第XI、第IX、第VIII因子を経て進む。両者は第X因子の活性化で共通経路に合流し、プロトロンビンがトロンビンとなり、トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに変えて安定した血餅ができる。検査では、プロトロンビン時間(PT)が外因系+共通経路を、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が内因系+共通経路を反映する。なお、これらの反応の前段階として血小板が粘着・凝集して一次止血栓をつくる過程があり、凝固因子による二次止血と区別して理解する。

✓ 4. 正しい
組織トロンボプラスチン
組織因子(第III因子)ともよばれ、損傷した組織から放出されて第VII因子を活性化し、外因系凝固の起点となる。「血液の外=組織由来だから外因系」と名称と結びつけて覚える。
✗ 1. 誤り
血小板
血小板は損傷部でフォン・ヴィレブランド因子を介して粘着・凝集し、一次止血栓を形成する。凝固反応の足場(血小板第3因子)も提供するが、外因系の起点そのものではない。
✗ 2. 誤り
トロンビン
トロンビンは外因系・内因系が合流した共通経路で、活性化第X因子によりプロトロンビンから生じる酵素である。フィブリノゲンをフィブリンに変える終盤の主役であり、起点ではない。
✗ 3. 誤り
プラスミン
プラスミンはプラスミノゲンから生じる線溶(線維素溶解)の酵素で、できあがったフィブリンを分解して血栓を溶かす。凝固ではなく、凝固を後始末する側の働きである。
ポイント
  • 外因系の起点=組織トロンボプラスチン(組織因子、第III因子)→ 第VII因子。反応が速い。
  • 内因系の起点=第XII因子の異物面接触 → 第XI・IX・VIII因子。
  • 共通経路:第X因子活性化 → プロトロンビン→トロンビン → フィブリノゲン→フィブリン。
  • 検査の対応:PT=外因系、APTT=内因系(いずれも共通経路を含む)。
  • 血小板の一次止血(凝集)と凝固因子の二次止血(フィブリン形成)を区別する。
比較表
項目外因系内因系
起点組織トロンボプラスチン(組織因子・第III因子)第XII因子の異物面接触
続く因子第VII因子第XI → IX → VIII因子
反応速度速い(数秒〜十数秒)遅い(数分)
対応する検査プロトロンビン時間(PT)活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
合流点第X因子の活性化以降(共通経路)
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