学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ34A083

理由で解く 柔道整復師

QJ34A083 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問83
問題
神経伝導速度が最も遅いのはどれか。
選択肢
1 侵害受容器からの求心性線維
2 温受容器からの求心性線維
3 筋紡錘からの求心性線維
4 骨格筋への遠心性線維
解答
正解2(温受容器からの求心性線維)
解説

神経線維の伝導速度は、太くて髄鞘をもつものほど速く、細くて無髄のものほど遅い。温受容器からの求心性線維は無髄のC線維であり、選択肢の中で最も遅い。

有髄線維では髄鞘が絶縁体となり、ランヴィエ絞輪でのみ活動電位が発生する跳躍伝導が起こるため、伝導速度が大きい。直径が太いほど内部抵抗が小さく、これも速度を上げる。目安として、Aα線維(Ia・Ib群、骨格筋への運動線維)は約70〜120 m/s、Aβ線維(II群、触圧覚)は約30〜70 m/s、Aδ線維(III群、冷覚・鋭い痛み)は約15〜30 m/s、無髄のC線維(IV群、温覚・鈍い痛み)は約0.5〜2 m/sである。痛みが「鋭い痛みが先に届き、遅れて鈍い痛みが続く」二段構えで感じられるのは、Aδ線維とC線維の速度差によるものであり、この体験がそのまま速度の順序の記憶になる。

✓ 2. これが答え(最も遅い)
温受容器からの求心性線維
温覚を伝えるのは無髄のC線維(IV群)で、伝導速度は約0.5〜2 m/sと選択肢中で最も遅い。無髄のため跳躍伝導が起こらず、興奮が膜上を連続的に伝わることが速度の遅さの直接の理由である。
✗ 1. 答えではない(これより速い線維を含む)
侵害受容器からの求心性線維
侵害受容器からの求心路には、有髄のAδ線維(約15〜30 m/s)と無髄のC線維の両方がある。Aδ線維を含む分だけ全体としては温受容器の線維より速く、「最も遅い」とは言えない。
✗ 3. 答えではない(最速の部類)
筋紡錘からの求心性線維
筋紡錘の一次終末から出るIa群線維は太い有髄線維(Aα)で、約70〜120 m/sと体内で最も速い部類に入る。伸張反射を素早く成立させるために速度が必要である、と機能から理解しておくとよい。
✗ 4. 答えではない(最速の部類)
骨格筋への遠心性線維
骨格筋を支配するα運動線維はAα線維で、約70〜120 m/sと非常に速い。運動指令を遅れなく筋へ届ける必要があるためで、これも速度と機能が対応している例である。
ポイント
  • 伝導速度は「太い・有髄ほど速い、細い・無髄ほど遅い」で決まる。
  • Aα(Ia・Ib、α運動線維)約70〜120 m/s > Aβ(II群)約30〜70 > Aδ(III群)約15〜30 > C(IV群)約0.5〜2 m/s。
  • 温覚はC線維、冷覚はAδ線維が主体。温覚の方が遅い。
  • 痛覚はAδ(鋭い一次痛)とC(鈍い二次痛)の二系統がある。
  • 有髄線維の速さの本体は跳躍伝導(ランヴィエ絞輪間を跳ぶ)。
比較表
線維の型(群)髄鞘伝導速度の目安主な役割
Aα(Ia・Ib群、α運動線維)有髄・太い約70〜120 m/s筋紡錘・腱器官からの求心、骨格筋への遠心
Aβ(II群)有髄約30〜70 m/s触圧覚、筋紡錘二次終末
Aδ(III群)有髄・細い約15〜30 m/s冷覚、鋭い痛み(一次痛)
C(IV群)無髄約0.5〜2 m/s温覚、鈍い痛み(二次痛)、かゆみ
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